宝塚記念(GI、阪神、芝2200m)

■アスクビクターモア 助手騎乗、美浦ウッド単走。輸送を控えたレース当週ながら1週前より速いペースで道中進んでいく。ラストでやや手応えに鈍さは感じさせたものの、一定の素軽さを保って力強く駆け抜けることができていた。大敗続きのダメージはそこまで感じられず、この馬なりに順調と言える。【6】

■イクイノックス 助手騎乗、栗東CW併せ馬。早い段階で栗東に入っており、最終追いも現地で。前後に馬を置く隊列で入り、直線では左右の間に割って入る3頭併せ。直線に入って軽く促されると脚力の違いで一気に抜け出し、1頭となったあとも気を抜かさないよう鞍上が仕掛けるとギアをさらに上げて最先着を果たした。栗東への移動当初は環境の変化に戸惑いもあったようだが、これだけ動ければ十二分。万全の態勢だ。【7】

■ヴェラアズール 福永師騎乗、栗東CW単走。まずまずの折り合いを見せつつ直線へ。加速した際、手前の変換に若干モタついたようだが許容範囲。溜めた分の脚はしっかり使えていた。海外帰りの約3カ月ぶりでも、持てる力は出せそう。【6】

■カラテ 助手騎乗、栗東坂路単走。中2週となるため終い重点の単走調整。序盤はピタッと折り合い、ブレのないシャープな走りで登坂。ラストまでまったくの馬なりながら、馬自ら気持ちを乗せて軽快に加速できていた。前走時も状態としては悪くなく、引き続き高いレベルで好調維持。【7】

■ジェラルディーナ 団野騎手騎乗、栗東CW併せ馬。先週武豊騎手が騎乗したCW併せ馬が実質の最終追い。今週は14-14ペースで入って折り合いに専念し、終いだけ伸ばす内容だった。内後方から来るオープン馬ドンフランキーを迎え入れ、手応え圧倒のまま併入としている。先週は行きたがってしまう面を見せたが、今週は制御できていたあたりは好感。3週続けて終いにしっかり脚を使えており、海外遠征帰りでも持てる能力をフルに出せそう。【7】

■ジオグリフ 助手騎乗、栗東CW併せ馬。直線に入って左右からタイトに挟まれる実戦想定の3頭併せ。直線入口でやや気難しさを出したのか、いったん反応が遅れるが手前を替えてからはまずまず力強い伸びを示し、1頭に先着、1頭と同入としている。先週も一瞬手前の変換にモタつく場面はありながら、速い全体時計を出せており体調面はすこぶる良さそう。持てる力は出せる。【6】

■ジャスティンパレス 鮫島駿騎手騎乗、栗東CW併せ馬。オープン馬イクスプロージョンを追走する併せ馬。直線手前であっさり取り付くと、懸命に負荷を掛けられ追いすがってくる相手を楽に受け流し、抜群の手応えを保ったまま半馬身の先着を果たした。折り合い、反応ともにハイレベル。1週前に目一杯追われたことでグンと良くなってきたようだ。好仕上がり。【7】

■スルーセブンシーズ 助手騎乗、栗東CW単走。いい意味で“遊び”を感じさせつつ、活気あふれる雰囲気で直線へ。軽く促されると四肢を大きく使う躍動感ある動きで応え、ラストの仕掛けにはさらにギアを上げて鋭く伸びた。単走とは思えない気合い乗りにも好感。上々に思えた前走時からさらに気配上昇。目下最高潮に感じる。【8】

■ダノンザキッド 助手騎乗、栗東坂路単走。坂の入口で大きくヨレる場面はあったが、態勢を立て直されてからはまずまず素軽い動きを披露。最後まで全身を大きく使って伸びた。香港からの帰国後も乗り込みは順調で、悪くない仕上がりと言える。【6】

■ディープボンド 和田竜騎手騎乗、栗東CW単走。序盤は息の合った鞍上とピタッと折り合い、落ち着き十分のまま直線へ。ギリギリまで待った仕掛けにスッと反応し、この馬らしい豪快な伸びを披露していた。常に稽古で良く見せるタイプだが、今回も上々の動き。能力全開に期待していい。【7】

■ドゥラエレーデ 幸騎手騎乗、栗東CW単走。活気にあふれた雰囲気でコーナーへ。ここで別組の併せ馬が視界に入ったことで気持ちがグンと上がったようで掛かり気味となるが、鞍上がしっかり制御。直線では前の馬に併せにいき、さらに脚を豪快に伸ばした。全体時計は予定外の速さとなったようだが、終いで失速しなかった点は評価できる。ラストに併せにいく選択をしたあたりは、鞍上が体調に問題なしと判断したからだろう。前走のアクシデントの影響は感じられず、好気配。【7】

■プラダリア 池添師騎乗、栗東坂路単走。先週CWで併せ馬を行ったのが実質の最終追い。今週は指揮官が脚捌きを確認する程度の軽い内容だった。じっくり溜めて入ったはずだが、坂の途中からの反応が鈍く、グイグイ追われてもギアが上がり切らなかった。一定の力強さはあり、体調は悪くなさそうながら、気配としては良くて平行線か。【5】

■ブレークアップ 川田騎手騎乗、栗東坂路併せ馬。先週CW併せ馬で強い負荷を掛けられており、今週は新コンビを結成する鞍上との意思疎通を深めるような内容だった。やや行きたがる素振りを見せるも鞍上がなんとか宥め、取り付いた相手に対し手応え優勢を保ったまま併入としている。並んでからの気迫はいいものがあり、この馬なりに安定と見ていい。【6】

■ボッケリーニ 助手騎乗、栗東坂路単走。道中はいかにも散漫だったが、坂の途中からスッと気持ちを乗せるベテランらしいメリハリのある動き。終いの鋭さは年齢を感じさせないものがあった。休み明けだった前走を勝利しての反動は感じられず、順調。【6】

■モズベッロ 助手騎乗、栗東坂路併せ馬。いつも稽古では地味なタイプなりに追われてジワッと気持ちを乗せて加速。3歳未勝利が相手だったとはいえ、1馬身の先着を果たした。レースを使われつつ、徐々に前進。【6】

■ユニコーンライオン 坂井騎手騎乗、栗東CW併せ馬。先週自己ベストに迫る猛時計を出しており、今週は終いの伸びだけ確認するような内容だった。やや掛かり気味で精神面のブレを感じさせたが、直線半ばからは優勢の手応えであっさり相手を抜き去り1馬身の先着を果たしている。レース当週でもそれなりの負荷を掛けて問題ないあたり、海外遠征帰りの影響は少なそう。走れる状態だ。【6】

■ライラック 石川騎手騎乗、美浦ウッド併せ馬。前に馬を置いて、ジッと我慢させる静に徹した調整内容。直線半ばまで鞍上の意のままに折り合い、仕掛けに対してはスッと反応。そこまで切れなかったあたりにやや物足りなさを感じるが、精神面の状況は上々と言える。2カ月ぶりだった前走時から一定の上積みはありそう。【6】
 

<追い切り評価>は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価(10が最高、1が最低)です。
(Text:Nishimura)