先週観てきました、映画「8番出口」。
なるべく内容に直接的に触れないように書きますが、
多少は触れるので、
先に映画を楽しみたい方はスルーしてください。
さて、観終わった後の最初の感想は、
疲れた、、、。
でした(笑)
なんかものすごく疲れて、、、。
たぶん、迷う男=ニノ と一緒に私も
あの地下道を歩いていたかのように。
これが、追体験か、と、終わってから思いました。
最初の頃はストレスからなのか、「迷う男」は喘息の発作が何度もあり、
喉の奥がゼーゼー、ヒューヒュー言ってる感じまで、
ホントに喘息持ちかと思うくらいの再現度で。
なんなら私もなんだかちょっと息苦しくもあり。
無意識に迷う男と一緒に息をしていたのかも![]()
とにかく何度も同じ道を歩き続け、私までホントに早く出たくなって。
ホラー系は得意じゃなく、ちょいちょいビクっとしたりして、
まだ終わんないの? と、
ニノの映画で初めて思うほどでしたが、
ラストシーンの「迷う男」の表情で、そんな思いは一瞬で消化され、
この後の「迷う男」をもっと観ていたいという気持ちになりました。
最初は感情の見えない個体だった「迷う男」。
周りの物音もイヤホンでシャットアウトして、我関せずを貫く、無関心人間の見本のような人。
でも、地下道で追い込まれて、一度絶望的になってから、
覚悟を決めたかのように、喘息の発作もなくなっていき。
そして、守る者の登場により、
さらに精神的に成長していく。
赤ちゃんの存在や子供の登場が
少しずつ「迷う男」を、
感情のある「人間」に導いていくようにみえました。
途中で、
地下道に迷いこむ前の自分と対峙したとき、
以前の自分に対する嫌悪感のような表情が
明らかに以前とは違う人間となっていて。
さらに、
自分をおいても守るものを助けようとする姿は
最初の「迷う男」と、同じ人なのかと思うほど。
そして、ラストシーン。
これまでの地下道での出来事や感情が、
今きっと走馬灯のように頭を巡ってるのでは?
と思うほどの無言の間と、潤んだ瞳、
最初とは確実に違う、活きた表情。
その後の「迷う男」は、きっと、
もう最初の「迷う男」とは全くの別人のように、
行動を起こしていると想像できる。
そして、
きっとその後で、自分が地下道で守った者と、この先また会う選択をするはず、とも。。
ニノの表情で、感情の移り変わりがわかる。
人間に、優しい人間に、なっていってるのがわかる。
きっと本当は優しさを持っていたけど、いつの間にかそれを表に出せなくなって、無関心になることで自分を守っていたのが「迷う男」なのかもしれない。
映画を観ていて、
異変がない場合を判断するのって、すごく難しいよな、と思って。
異変があれば確信をもてるけど、
また0番に戻りたくない気持ちが強ければ強いほど、
異変がなかったと決断するのは、私には難しい。
「迷う男」は、人生に迷ってる設定だけど、割と瞬間的な決断力のある人なんだな、と。
無関心に、向き合わずに逃げていたことで、決断力がなくなって、人生をも迷っていたのかもしれない。
自分を守ろうと無関心になっていたのに、結局それが自分の首を絞めていた原因で、
極限的な状態に身を置くことで、自分に素直になれたのかな。
8番出口を出られた、ということは、
人間に戻れた、というか、自分らしさを取り戻した証、なのかもしれない。
シチュエーションがシンプルがゆえに、
特に「迷う男」と「歩く男」の2人のハンパない演技力がこの映画を支えている。
「歩く男」の、ホントにCGのような歩きっぷりは
惚れ惚れするほど。
止まってる「歩く男」の前で、「迷う男」が話してるシーンがあるけれど、
後ろで全然動かないどころか、生きてる存在感すら感じさせない凄さがありました。
しかも笑顔がまた人工的で恐怖、、![]()
そして、彼が階段を上った先で何があったんだろう、、と怖くなりました。
個人的には、小松菜奈ちゃんは、デビュー当時から、どうしても目で追ってしまうくらい私にとって魅力的な顔の人なので、ニノと共演してくれて嬉しかったです。
彼女の登場がストーリーを引き締めていたし、現実的でないような雰囲気もよく表現されていました。
多くの国際映画祭にお呼ばれして、世界でも注目・評価されている『8番出口』。
脚本から参加して、ニノの様々なスキルが存分に生かされた作品。
ニノが良い作品に出会えて良かったです。
エンドロールで、山田洋次監督たちと同じ画面で脚本協力としてニノの名前が一緒に並んでるのが、密かに嬉しかったな。
まだ観てない方は、いつもとは一味違う映画体験ができると思うので、是非一度ご覧いただければと思います。