妄想小説です。ご注意ください。BLの意味が分からない方はブラウザバックでお願いします。
和宮♥和子様宅の大宮が遊びに来てくれました♡
まずはこちらからどうぞ✨
ここは某地方都市にある小さなクリニック。
俺の名前は二宮和也、普段は総合病院の外科病棟で看護師をしている28歳♂だ。小柄で肌が白くて小動物的だとよく言われる。
自分で言うのもなんだけど、顔や雰囲気も男性的じゃなく中性的寄りで、悲しいかな言い寄ってくる男の人も割と多い。
そして今日のパートナー、この医師の名前は大野智。彼も同じ病院で働く2歳年上の外科医。俺とは対照的に黒く日焼けした肌は、趣味の釣りの影響。
太陽ガンガン浴びまくって、肌を真っ赤にしているの、何回見たことか。【日焼けは火傷と同じ】って怒っても聞かないんだもん。
バカ!!
そして今日は日曜日なんだけど。
休日診療を補助する意味合いで、このクリニックを付近一帯の病院の勤務医・看護師が持ち回りで担当している。
当然、日当も出る。
それから、薬剤師も1人勤務する。
医師と看護師は基本的に同じ院内からセットで派遣されるんだけど。うちの場合、同じ病棟から一緒に出されちゃうのよね。そっちの方がお互いの個性を・・・特に看護師サイドが医師のクセを把握してることが多いから、無用なストレスを感じずに済む。
そして公にはしてないけれど、俺と大野先生・・・プライベートでは智って呼んでる。うん、俺たち付き合ってるの。今はまだ、人目を憚る必要がある、少し息苦しさを感じる特殊な恋愛だとは思ってる。
けれど、最近は少し風向きも変わりつつあるよね?そりゃ生産性がないって言われちゃえばそうだけど、恋愛や結婚ってそれだけが目的じゃないでしょ?
話を戻すけれど、堂々と一緒に居られて給料まで貰えるこのシステム、俺的にはありがたい。
けど智的には不満みたい。
だって、釣りに行けないもんね。ふふ、海に持って行かれないから俺的にはそれも利点。
一石二鳥+αよね・・・。
「暇だな」
必要最小限の物品しかない小さな診察室、智は椅子に座ったままで大きく背伸びをして、俺の腰を抱き寄せた。
「・・・勤務中ですよ?それに【暇】は医療業界では禁句・・・」
言い終わらない内に外線がプルプルと鳴り始める。
「・・・ホラ」
言わんこっちゃない。
【暇】とか【今日は落ち着いている】とかいう言葉を口に出すと【急に忙しくなる】はこの世界では常識ですよ?全く。
「はい。○×診療所です。どうされました?」
俺は電話を受け、メモ帳を取り出して詳細を記載する準備をしたけれど。
『お願いします!連れが体調を崩しまして!!』
電話の向こうで半ばパニックのような男性の声が響いた。
「え・・・あの。もしかして救急ですか?その場合は救急車を呼んでいただいた方が・・・」
俺が説明を始しようとすると、
『ごめんなさい!救急車を呼ぶような事態ではないんです』
誰かが受話器を取り上げたのか、声が別の人に変わった。
ん?この声・・・ううん。さっきの声も何処かで聞いたことがあるような・・・。
俺がチラっと智に視線を流すと、
「・・・ヤバそうな感じ?」
眉間に皺を寄せてそう尋ねるから、慌てて首を横に振ってみせた。
「・・・はい。腹痛と微熱ですね・・・辛いですね。お名前と連絡先は・・・」
『・・・えっと、二宮和也と言います。28歳です』
「はい、にのみやかずなりさん・・・28歳ですね・・・って、えっ?」
思わずペンとメモ帳を落としそうになったのを、横からすかさず大野さんがフォローした。
『あの、どうかされましたか?』
「・・・いえ、申し訳ありません。事情は後程説明しますので・・・はい、住所は合っています。お気を付けてお越しください」
受話器を置くと、
「・・・どうした?お前が焦るなんて珍しいな」
怪訝な顔をした大野さんが俺を膝に抱いた。
「・・・患者さんが来れば分かりますよ」
不思議な感覚に支配された俺はそう告げ、クリニックの入口方向へと視線を流した。