ニノ大好き!嵐の大宮ラブで始まりラブで終わる日々

ニノ大好き!嵐の大宮ラブで始まりラブで終わる日々

タイトル通り嵐の大宮が
大好き~♪

こんな可愛い生き物見たコトない!

画面の隅っこで垣間見られる2人の姿に心がほっこり癒され萌えます

優しくそして時には乱暴にリーダーに愛されてるニノが基本です。

大宮大好きな当ブログはどこを切り取っても
嵐の大宮しかありません。

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



はじめてその地に触れたときに感じた不思議な
感覚は今でも鮮明に思い出すことができる

だけど、それがどんな風だったかを表現する
ぴったりの日本語がオレの中で見つからない

話したところでオレの言語解析家のニノですら
首を傾げるくらいだから、他の人には到底理解
できないだろう

強いていえば……身体中に電気が走ったような
力が抜けたような感じ?とでも言うか……

ふははっ、やっぱうまく言えない

でも目に見えないそれがすごく気持ちよくて
なぜだか懐かしい感じすらもしたんだよな

いつかここにまた来たいって漠然と思って
それで迷わずここに決めた


東京から遠く離れたこの地

物珍しさから遠巻きに向けられた野次馬的な視線
も最初のうちだけで、今じゃオレが誰だかなんて
島民の誰一人として興味もないし気にもしてない
んじゃないだろうか

この前もテレビでしか知らなかったけどこんな
近くで本人見られるなんて、逆に有り難みない
ね!なんて

最近釣り仲間になったおじいさんの孫の女の子
から、肩バンバン叩かれながら言われたりする
くらいだ

その時の様子を電話向こうのニノに見えてない
ことも忘れ身振り手振り事細かく説明してたら

「だからそれはあれでしょ」

ちょっと苛立った声に遮られた

「アナタがそれだけ島に溶け込んで馴染んでる
ってことでしょ?」

なにをしているのかガサゴソと耳障りな音の
向こうで

「別にフツーじゃん」

素っ気なくそう言い捨て、じゃ切るから、と電話
が一方的に切られた

いつもそうだ、オレのこっちでの話を聞きたがる
くせにいざ話し始めると最初ケラケラ笑ってたの
がだんだんと聞いてんだが聞いてないんだかわか
らない複雑な空気に変化する

確かに知り合った誰それと飲みに行ったなんて
話し、きっとニノには興味ないつまんねー話題
なんだろうなと思って、近頃はあまり言わない
ようにしてる、寂しいけどね


もう朝とは呼べない時間に目が覚めた

なんの予定もなけりゃしなきゃいけないことも
ない日は折りたたみの竿を片手にチャリを走ら
せる

照りつける陽射しに頭の天辺から湧いた汗が
帽子の隙間をぬい顔に滴り落ちてきた

「あっちー!」

観光地でもなんでもないこんなとこの山道で
さえアスファルト舗装されてるなんて日本て
すげー国だとつくづく思う

しかし、しかしだ、整備され走りやすいとはいえ
さすがに中古で貰ったこのチャリもそろそろ限界
らしい

「はぁ、はぁ……っ!」

長く続いた緩い登りもあと少しで終わりだ

後ろから来た軽トラがオレの横をあっさりと
追い抜いていく

ここでは日中、歩いてる人はあんま見掛けない

免許取れば?とか例の孫の子に言われるけど
買い出しん時に店の人が好意で運んでくれる
のを申し訳ないと思う以外は今んとこさほど
必要性を感じないし車に興味はない

坂を登りきると真正面に青い海が見える

今すぐダイブしたい気分だ

釣り場にもってこいの岩場で波の音を聞きながら
ゆったりとした時間に身を任せ、垂らした竿から
顔を上げると一本の白い筋だけを残した飛行機が
はるか上空を飛んでるのが見えた

どこへ向かっているのかと考える前に浮かぶ
いつも頭の片隅にある、決して消えることの
ない光景が鮮明に蘇る

見送りには行かないから、と胸の前で固く絡ませ
組んだ両腕の隙間から見えた指を微かに震わせた
ニノの、その前後は全く思い出せないけどその時
の今にも泣きそうな赤い目だけは忘れられない

あれ以来まだ一度も会ってないけど

「元気してっかな」

飛行機が見えなくなるまで眺めてたら暑さで
頭がクラクラしてきたしなにより腹が減って
きた

大した成果を得られずとも空腹を口実にケツを
上げそれなりに満足して家に着く

湯切りしたカップ麺をガーデニングのガの字も
ない、だだっ広いだけの庭を眺められる縁側に
腰掛け食べる

いつでもどこでも時間を気にせず好きなだけ
釣りして眠くなったら寝て、起きたいときに
起きて酒を飲む

誰も歩いてない一本道をチャリでかっ飛ばし
つんのめってあちこちズル剥けて、足なんか
たぶん捻挫したっぽくて痛かったけど平気だ

ガンガン二日酔いで起きられなくても誰にも
迷惑は掛けない、大丈夫だ

随分と長いことオレの体でありながらオレの体
じゃない、誰かに貸してるような誰かのもんで
借りてるような、そんな変な感覚とはおさらば
してやっとこさ今、自分を取り戻したような気
がする

それがすごく新鮮で心地いい

だけどやっぱりニノが側にいないと圧倒的に
寂しくて物足りない

声が聞きたくて電話する

電話の向こうは東京だ

リビングでゲームしながら、キッチンでメシを
用意しながら、ベッドの中から、仕事帰りの車
の中から

どんな格好でどんな体勢で電話しているのかが
安易に想像できる

でも、切ったあとの虚しさと寂しさといったら
そりゃもう耐え難くて、それが嫌でオレからは
あんまりしなくなった

こんなに離れてるのは初めてだ

抱きしめてキスしたい

甘い吐息を感じながら昇りつめたい

だったら会いに帰ればいいだけの話だけど
それができたら苦労はしない

何度も想像してきた

ニノを置いてまたこの地に戻る時の光景を

安易に浮かぶその時のニノの顔を

平静を装うバレバレの作り笑いはやがて怒りや
不安と化して堰を切ったように溢れ出すに違い
ない

どうして、なぜ、わからない、行くな、帰るな

最悪泣かれでもしてみろ

ニノの涙にはめっぽう弱いオレだ、振りほどいて
でも戻る自信が今のオレにはまだない

そうなったら行き着く先はがんじがらめなオレ
と、そんな風にオレを追い込んだのは自分だと
自分を責めるニノの最悪なパターンになるのは
目に見えている

東京へ帰るのは至極簡単なようで、それは
とてつもなく難しかったりする

だから怖くて帰れない

ごめん、ニノ

そんなある日、珍しく松潤から電話があった

無理強いはしないからという前提の内容では
あったけどこれは……


久し振りに降り立った空港で待ち構えていた
マネージャーと挨拶もそこそこに用意された
車へと早足で向かう

車窓から否が応でも飛び込んでくる圧倒的な
情報量と目まぐるしく変わるせわしない景色
に圧倒されながらもやっぱり東京は懐かしく
胸が熱くなった

渋滞もなく程なくして到着した病院の裏手から
特別室に通じる専用エレベーターに乗り込む

一般の立ち入り禁止のフロアを進むうち目に
する事務所の役員らと目で挨拶しながら病室
に入る

そこには東京を発つ前に見た時よりも明らかに
様相を変えたあの人が、松潤や翔ちゃんや相葉
ちゃん、そしてニノに囲まれて横たわっていた

枕元近くに座っていた翔ちゃんが笑顔で手招き
しながら席を立った

ここへ来いということだろう

ここでいいんだけど、と突っ立ているオレに

「近くで顔見せてやんなさいよ」

ベッドを挟んだ向かい側から松潤にそう言われて
おずおずと足を進めた

「声きかせてあげたら?」

さてどうしようかと棒立ちなオレの背後から
掛けられた相葉ちゃんの柔らかい声に押され
ゆっくりと腰を折り顔を近付けた

「お久し振りです」

振り絞るように出た言葉は自分でも笑えるくらい
震えていた

それ以上なんて言えばいいのかわからず
酸素マスクをしたやつれた顔を見つめる

痩せたな……

苦しくないのかな

訪れるであろうそう遠くない別れを考えると
寂しく悲しいけどもっと頑張って下さいとは
言えない

それは周りじゃなくこの人が決めることだろう

ただ痛みがないのなら、この穏やかな日々が
今日明日とずっと続けばいいと思う

部屋の壁を埋め尽くすたくさんの写真や豪華な
花に囲まれたおよそ病室らしくないこの部屋で

この人は今きっと幸せなんだろう

会うのはこれが最後になるかもしれない

嵐を作ってくれたこと

最高のメンバーに引き合わせてくれたこと

どんなときでもいつもオレらを気に掛け

オレらを愛してくれて 

本当にありがとうございました

持ってるだけの精一杯の感謝の気持ちを込めて
心のなかで呟いた



「大野さん、いける?」

飲むジェスチャーを交えた松潤にそう聞かれて
病室を出てこのまま帰路につくのもなんとなく
離れ難い空気感は自然と発生したんじゃなくて
4人は既に了解済みなんだろうと皆の顔からは
汲み取れた

「うん、いいよ」

オレとしてもこうなるだろうとは思ってたし
断る理由もない

「よし!じゃあ、例の恵比寿行ってみる?」

「いいね、オレ連絡入れるわ」

目星を付けていたらしき店へのセッティングに
いそしむ松潤と翔ちゃんのフットワークの軽い
背中がどんどん遠ざかる

「改めておかえり!後でゆっくり話そうよ」

肩をポンポンと2回叩かれ相葉ちゃんもまた
早足で去っていく

意識してか必然的にか歩調を合わせるニノと
ふたり並んで歩くことになった

手を伸ばせば、いや、伸ばさなくてもすぐ側に
あんなに会いたくて仕方なかったニノがいる

手に触れたい、声が聞きたい

さっき皆の前で聞いた儀礼的な挨拶じゃなく
オレだけを見てオレの為だけに喋って欲しい

なんて切り出そう?

話したいことはいっぱいあるのに、いざニノを
目の前にするとなにから話せばいいのか見当が
つかない

デカい魚の骨が喉に引っかかって取れなくて
対処法の動画探すつもりがおすすめに出てた
鯨の動画を見終わる頃には取れてた……なんて
興味ないか

そんなつまんねーこと床を見ながら考えてたら

「真っ黒じゃん」

不意に話し掛けられ足が止まった

「それに、なに、太った?」

視線を床から上げる

……ああ、ダメだ、目が離せない

軽口で返したいのに唇がモゴモゴするだけで
声にならない

「ふふ、まあ良かったよ、元気そうで、で?
すぐ帰るの?それか暫くこっちいる?」

「あ、まだ……」

「決まったら教え……」

「今日!」

考えるより先に自然と口が動いた

「今日泊まっていい?」

オレの勢いに押され耳まで真っ赤にしたニノを
前にオレも負けじとまた真っ赤なんだろうなと
思った

「いい?」

「あ、いい……よ、いいけど」

「てか、こっちいる間泊めて」

見開いたニノの目がクルクルと動いた

「何日かわかんねーけど、暫くはいるから」

「うん」

「お前に話したいこといっぱいあんだよ」

「うん、わかった」

「毎日会い……っ」

それは突然だった

胸の真ん中に居座り続けくすぶっていた大きな
得体のしれないつっかえが水風船に針を刺した
ようにプツンと弾けた

同時に全身を風が駆け抜けたように軽くなって
思わず身震いした

それはあの地で感じた快感にも思える不思議な
感覚と似た感じがした

ニノ、と口を開く前に

「あとで聞く」

遮るそのぶっきらぼうな口調とは裏腹な緩んだ
口元の優しさに胸がいっぱいになる

ニノ、オレな

どうしてあの島に無性に引き寄せられたのか
ずっと不思議だったんだけど今わかった気が
する

あの島はなにもかも脱ぎ捨てなにも持たない
ズタボロで弱い、そんなありのままのオレを
受け入れそして居場所を与えてくれたんだ

「ニノ」

同時にそれはお前の懐と同じだと気付いた

「話聞いてる?ここ病院だから」

「あんま連絡しなくてごめん」

頭を下げ心の底から詫びた

一緒にいるのが当たり前になり過ぎて
忘れてたよ

オレの生きる意味はここにあるのに

「ごめん」

「別に」

「本当にごめん、でも」

「もういい、早く行こ」

「でもな、ぜってー帰ってくる」

お前が一番待ち望んでいたであろう言葉を
やっと言えたことに、なによりオレ自身が
一番興奮した

「帰ってくるから待っててほしい」

泣くんじゃないかと思った

頼むから今は泣かないでくれ

でないとひと目も憚らず抱き締めちまう

「オレを信じて待ってて」
 
下手に希望をもたせる言葉は自信がなくて
ずっと怖くて言えなかった

でも今は自分の言葉に確信を持てる強みと 
自信が腹の底から湧いている

オレは大丈夫だ、と

「必ず迎えにくっから、そしたら」

「それ以上喋んな」

シッシッと追い払う手を掴み

いつか必ずあの地に

真っ青な海

どこまでも広い空

夜には満天の星を輝かせる

優しいあの地に


ニノを連れていきたい。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



ありがとうございました。