スペイン風邪と呼ばれた1918年の新型インフルエンザの場合、当時、世界人口が18億人から20億人とも言われた人口を基に計算すれば、感染者数は4分の1としても4億5千万人から5億人。半数とすれば、9億から10億人ということになります。現在の人口に当てはめてみて、致死率を50%とすれば、予測死亡者数は、8億から16億人となります。
1918年は、死亡者数4000万人から5000万人とされていますが、これにはアフリカやインドの死亡者数が含まれておらず、これらの国々を考慮すると1億6千万人から3億2千万人は死んだと予測ができます。新型インフルエンザは昔は40年から50年周期で発生していましたが、現在では、26年周期くらいに短くなっているそうです。これは世界人口の増加により、人口密集度の増加や食生活の近代化、家畜飼育の質的変化・量的増大といった要因が考えられます。インフルエンザには、強毒型と弱毒型に分かれます。これまでは弱毒型が多く幸運だったのですが、今、鳥インフルエンザは、高病原性の強毒型のインフルエンザです。強毒型インフルエンザがヒトに感染した場合、どうような状況が現れるのか。そうした状況下では、ありとあらゆる臓器に障害が生じ、肺炎だけでなく、心筋炎や脳炎、あるいは激しい下痢症状が現れ、出血傾向を伴う多臓器不全が引き起こされることになります。これまでに私たちが経験したことのない通常のインフルエンザの概念を覆す「超インフルエンザ」となる可能性があるのです。インフルエンザというと、つい冬の病気と考えがちですが、鳥インフルエンザが東南アジアからヨーロッパまであるように温度とはあまり関係がないようです。インフルエンザについてはまだ研究が進んでおらず、季節性のある温帯地域に比べ、熱帯地域ではピークを示すことなく、通年を通して穏やかに流行しているようです。新型インフルエンザが発生した場合の経済に与える影響もばかになりません。
それより、どうしたら自分は感染しないようにするか。
マクロでは、発生地域を封鎖することが必要ですが、地域封鎖で他地域への感染は抑え切れません。流行の時間稼ぎをするだけです。本書では細かな対策は載っていませんが、先日テレビでは、外出しないこと、そのために家に水や食料の備蓄をするように呼びかけていました。病院にいけば、連れて行った人まで感染することになりますし、薬は先ず、医療関係者が使うことになっていますので(こうしないと医者がインフルエンザで倒れると治療もできない)、国民全員に薬が回るとは限りません。
何より、国内での発生がわかった時点で、感染しないように、家に閉じこもるしかないでしょう。
企業も新型インフルエンザ対策を立てておかないと、企業活動が止まることになりますが、社員であるわが身を考えると、会社をクビになっても、出社拒否をして生き延びる方を選択したいです。もし、電車で会社に行ったら、インフルエンザウィルスに感染するでしょうから、妻や子供のことを考えると家には戻れないでしょうね。
| 新型インフルエンザ―世界がふるえる日 著者:山本 太郎 販売元:岩波書店 A |
