・一ノ俣を越え、槍沢に入った所から線量計の数値が急上昇。
0.18~0.28。測定器のアラームが止まらない。
軽くパニックになる。
N95マスクをしていても、激しく呼吸をしていることが不安に。
・槍沢ロッヂ泊
小屋は登山道から少し上がったところにあり、外が0.14。
建物の中は0.09。小屋の飲料水と風呂は沢の水のようだ。
持参したミネラルウォーターをコンロで温め、
スープとカロリーメイトの夕食。
乾燥室が線量が低い。暖かくて嬉しい。
10/12 快晴
・槍沢ロッヂ~槍沢キャンプ場
小屋を出て登山道に入るとすぐに数値が上がり始め、0.20に。
・槍沢キャンプ場~大曲
0.17-0.20。大曲で0.17。少し下がった印象。
・大曲~天狗原分岐(このあたりから上は岩場で植物少ない)
だんだん下がって0.14平均となる。
・天狗原分岐~坊主岩小屋
さらに下がって0.13平均。坊主岩小屋で0.12。
樹林帯を抜け、槍が見えてきた。
線量がどんどん下がるので、嬉しくなってきた。
・槍ヶ岳山荘(稜線に出る)0.09。
ここまででおそらくそうだと感じたこと。
標高が上がり、樹林帯を抜けるとどんどん線量が下がると言うことは
これは自然の放射線ではなく、原発の影響だろう。
山肌に当たった放射性物質が下に落ち、
下の樹林帯に溜まって線量が高いのではないか?
中央アルプスでの平和な時間に比べ、
目まぐるしく変わる線量に一喜一憂しながら、
稜線に出てやっと一息付けた感じでした。
ただ、残念ながら購入したミネラルウォーターが
燕~常念あたりの川から採取した水でした・・・。
安全だったと思いたいですが、銘柄まで確認しておくべきでした。
ここで大きな問題に直面。
もし、全行程分の水をしょっていくとすれば、かなりの重量になるので、
そんなに長期の縦走は、これからは無理かもしれない。
たとえば、一日1.5リットルとして5日の縦走なら
7.5kgの水を背負って歩くということ。
実際、槍沢ロッヂ~槍の稜線までは、最低限の水だけにして
荷物を軽くしたので、コースタイムよりもかなり早く歩けたのに、
この後の西鎌~双六までは、やはり槍で購入した水の重さがたたって
かなりコースタイムより遅くなってしまいました。
それにしても、槍の稜線から向こうに広がる広大な山脈。
累々と続く山並みの美しさ、雄大さ。
どこまでも、どこまでも、歩いて行きたい・・・という想いと、
どこまでが汚染されているのだろうという想い、
山を除洗するという言葉がいかに非現実的なことなのか、
この景色の前では、誰もが納得すると思います。
山の木を全部切り倒して、丸ハゲにするのですか?
そんなことをできるのですか?
そんなことをしたらどうなるのですか?
どんな言葉もいらない。
ただ、ばかばかしいと思うだけ。
・西鎌尾根の槍ヶ岳直下は0.12-0.18で高め。
斜面を過ぎて高低差の少ない尾根歩きになると
0.11-0.12に下がる。0.08も出るようになる。
・樅沢岳周辺0.07-0.09
・樅沢岳から下って双六小屋0.11。
室内は0.08。談話室でくつろいでいたら人がたくさん入ってきて
数値が0.12まで上がっていたので退室する。
蛙岩のあたりから、月が昇ってきました。
続く