「俺はペヤングの親友だからさ」
むずかゆい言葉を前に。
自分にとって親友なんていないと思っていたけど。
そう言ってくれるなら俺は親友なのだろう。
「今日はなにしてたの?何かおもしろい話ないの?」
夜の電話で。
彼女ではないのに。その手前で友達になってしまった。
もう5年にもなる、いまでも好きな女性と話している。
一時は毎日メールと電話をしていたので。
彼女にはそれだけプライベートに立ち入る権利がまだ残っている。
セックスはさせてくれないけど。
恋人と親友と、だけでもそのどちらでもない間で。心にうそをつき。
ペヤングは孤独を感じていた。
「ああ!自分が童貞だってことを考えない日はないのうだろか!!!?」
夏の日差しはもう弱くなっていて。それでももう28歳になっていた。