うおー!この本、凄い!!
これぞ梨木香歩だ!!という物語りだと思う。
やっぱり梨木さんの描く物語が好きだなあ、としみじみと思う一冊。面白かったあ!!

本屋をぷらりとしていた時に見つけて、なんとなく買って、置いてあった本。好きな作家さんの本はできるだけ新刊で買いたいなと思って。いやしかしこれは買って良かった。


昭和初期。南九州の、とある島について調べる、風土民俗学の学者?(調べたら人文地理学の研究者ということらしい。)
物語りはたんたんと進んでいく。今ここで暮らす人々との出会いながら島の豊かな自然の中を歩く。特徴的な住居や宗教の残骸にかつてここで暮らしていた人に想いを馳せる。
平家の落人か〜流刑ね〜〜とか思っていたら、たまたま来ていた母が見ていたTVでは西郷どんも丁度流刑になっていてそうか昔はよくある刑だったんだなー(笑)とか、色々。

正直よく分からん言葉もたくさんでてくる。半分くらい読んで、ふと、あれっ、この話、小説として大丈夫なのー?(笑)っと思うけど、地図を見ながら、読み進むうちに、小説ということも忘れて一緒に島を巡って調査している気分になってくる。どんどんこの島に愛着を持つ。猛烈にここに行ってみたい!!(架空の島です)
なんというか、ドキュメンタリー番組を収録している現場にいる?に近いようなかんじというか、、、(笑)



(植物の名前とかはちょいちょいググりながら読む。便利な世の中だな。)
信仰している宗教はないつもりでいるけど、山の中を歩いていると、総てのものに神様がいるよーということをすんなり受け入れてしまっているとおもう。八百万の神々よね。
世界中の人々がそれぞれに色んな神さまを信じていて、それをダシにして戦争もしている。そんななか今の日本は、カミサマホトケさまキリスト様〜〜状態。これってなんでもあり。もはや無宗教ってこと?なのかなあ、と思ったことがあったけど、、、
いやいやいやいや、宗教あるから〜〜ほら色々あって戦争もあったから、、、ってことで、ふーん、ってかんじだったけど、ああっそうか!こういうことね!!と納得。その土地にもともとあった信仰と、あとから入ってきた宗教と。
神仏分離か。ああそうかそうなのね。

色即是空
空即是色
は、ちょっと今のわたしには難しいか〜
森羅万象
おお。

で、むかえる最終章。
は、もう、ああ!!の連続で、何回か本閉じた。号泣しすぎて、感想なんか書けない。ひたすらに胸がくるしい。時代の流れ。仕方がない、のもわかる。いや〜〜しかしせつない。





海うそ海うそ
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