真っ白な空間で、ぼやけた輪郭がぐにゃぐにゃに描いた『何か』しかない僕の視界。
『そこ』は昔から、僕の中に当たり前にあった。
ある時突然、『そこ』に絵の具をぽとりと落としたように色が着いた。
『それ』は、白い空間に滲んだ、ぼんやりと明るい青だった。
『それ』はぼんやりと浮かんだままで、けれど引き込まれそうなその青は、あっという間に僕の心を呑み込んだ。
海、じゃない。
…空。
僕の心に広がる青空には、雲なんてなかった。
端から端までただ青くて、僕が立っている……立っているとは言わないかも知れないけれど……その『場所』さえ真っ青で、どこが空の境目なのかさえ分からなかった。
けれど、
風もない。
草もない。
生きものもいない。
綺麗だけれど、何もない。
僕は思った。
まるで、あの白い空間のようだ、と。
何かあるはずなのに、何も見えなかった場所。
違う。
僕が何も見ようとしなかった場所。
何もないと決め付けて、自分で目をふさいでいた。
僕は、ようやくそれに気が付いた。
僕は、自分が黄色であることを知った。
そうか。
君も、あの場所で泣いていたんだね。
僕の心に落ちた青。
滲むその色に、ゆっくりと僕の色を重ねた。
手を繋いだら、ほら。
あっという間に緑の草原の出来上がり。
僕は、果てのない青の中。
君で完成する、僕の話。
…なんちゃって★
