albinar

本日のレンズは、まさに「正体不明」です。 可能な限り調査しましたが、このレンズの出所自体がわかりません。
名称は「Auto Albinar Special 135mm F=2.8」というのですが、「富岡光学(現:京セラオプテック)」か「理工(現:Ricoh)」あたりのOEMだと思われますが、「Albinar」というメーカー自体が存在していないため、それ以上の追跡が困難になり、日数が開いてしまいました。
このレンズは、どのような形態で販売されたのかも、不詳なんです。 Albinarは、理工がOEMを手がけたSearsブランドに対抗して、交換レンズ市場に投入されたものと考えるのが筋かも知れません。
ただ、交換レンズ市場で一大勢力を誇る135mm市場では、埋没してしまった可能性も否定できません。(おそらく私もそちらが正論だと思います。)
一説にはVoigtländer(フォクトレンダー)のVSLの交換レンズということもあるようですが。
ただ、VSLシリーズ自体が、あまり売れたカメラではないものですから、交換レンズ需要はさほど多くなかったのではと思います。
他にも年末恒例の年賀状のお仕事もあったものですから。
作例です。 他の135mmに比べると赤色が強いようです。

albi2
ブログが更新されないと、みんなが心配していますと連絡をもいらいました。
年末でいろんな用事がいっぺんに重なったのと、正体がいま一判らないレンズなので、手間取っていたのです。
ご心配をおかけしました。
NikonOyaji
Sears

本日のレンズですが、名称は「Auto Sears 135mm F=2.8」というレンズです。
「Sears」という名称の通りアメリカの百貨店「Sears,Roeback&Company」で売られていたカメラ&レンズセットのレンズです。
百貨店に精密光学機器やレンズの開発・生産機能があったとは思えませんので、国外メーカーへのOEM発注でした。
その主役を担ったのが「富岡光学(現:京セラオプテック)」と「理工(現:RICOH)」の2社だと推定されます。
「富岡光学」が主にレンズを「理工」がカメラ本体を担当していたものと思われます。
OEMで定評のあった「富岡光学」のレンズだと思われますので、基本性能も素晴らしいものがあり、PENTAXの135mmレンズよりも大口径なレンズを採用し、F=2.8という明るさを誇る高性能レンズでした。このレンズのフィルター径は、55mmなのですが、55mmというとMayerOpticGörlitzeのOrestegonも55mmのフィルター径なのです。
集光性に優れたレンズの一種ということになるのでしょうか?
広角域~準接写まで使える万能レンズ
Flektogom

再掲載ですので、軽く流します。
CarlZeissJenaの「MC Flektogon 35mm F=2.0」というレンズです。
最近は国産レンズも非常に優秀な製品が発表されるようになってきましたが、私見ですが、この「Flektogon」を越えるレンズは未だにできないだろうと思います。
広角域撮影から、17cmまで寄れる準接写域まで、一本で対応できるという高性能です。
あくまで、広角レンズですが準接写としていますが、17cmまで寄れるというのは、PENTAXのMACRO TAKUMARの25cmの近接をも凌ぐ性能です。
作例です。 アブラチャンという木の花ですが、非常に小さい花なので、Flektogonの準接写性能が威力を発揮します。

aburatyan

変換アダプター使用のため、実際より大きく写っています。
これが本来の姿です。
SP

昨日と同じ「Auto Reflex F=55mm1:1.8」のレンズです。
今回は、「Auto」での使用が可能なPENTAX-SPに装着しました。
SPについている「M42」ピン押し込み機構により、自動絞込み(といっても絞り環の操作は手動ですが)機構が作動できるようになります。
作例です。 Auto TAKUMAR 55mm F=1.8と似ていると思っていましたが、独特のボケ味のある非常に良質なレンズです。
「富岡光学(現:京セラオプテック)」の傑作レンズの一つだといえるでしょう。

SP-2

SP-3
富岡光学製品でしょうか?
Reflex

本日のレンズは「Auto Reflex 55mm F=1.8」というメーカー名がわからない代物です。(多分Reflexかな?)
このレンズの正体を調査する必要性がありましたので、ブログの更新に間が開いてしまいました。
調査の結果、輸出用に設計されたレンズのようで、推定ですが海外向けレンズのOEM生産を積極的に行っていた「富岡光学(現:京セラオプテック)」ではないかという結論にいたりました。
狙いは欧州市場と考えられ、今でも20~25€程度でeBAYで出品されているのを見かけます。
では、何故欧州市場だったのか? それは、旭光学のフラッグシップカメラであった「PENTAX-S1a」や「PENTAX-SP」が欧州市場に大量に輸出されていたからです。
でも、その殆どは玉無し(レンズ無し)で輸出されており、輸出PENTAXの交換レンズとして、欧州のいずれかのメーカーが「富岡光学」にOEM生産を持ちかけたのだと思われます。
レンズ構成は詳しい資料が残っていないので、詳細はわかりませんが、これも推定になりますが、旭光学の「Auto TAKUMAR 55mm F=1.8」を模倣している可能性は否定できません。
となれば、5群6枚構成で、同じF値を得ている可能性があります。
「Auto」という名称がつき、後球の近くにある「M42」ピンをカメラ側の押し込み機構で押し込むのが基本ですが、「押し込み機構」のない「S1a」にも対応するためか「マニュアル」に切り替えることも可能になっています。
私が「PENTAX-SP」だけではないと推定したもの「マニュアル切替機構」の存在がありました。
現在でもドイツに「Reflex」という企業はありますが、高圧機器関連が主軸の企業で、「Auto Reflex」との関係性は不詳です。
かってアメリカの百貨店「Sears, Roebuck and Company」が事業多角化の一環で、カメラ事業に参戦しており、日本の「富岡光学」がOEM生産していた事例もあります。
玉ボケ王とも言えるレンズです。
Pentaflex

本日のレンズですが、これを銘玉と言っていいのか迷玉といっていいのか判らないレンズなんです。
名称は「PENTACON PentaFlexColor 50mm F=2.8」というレンズで、MayerOpticGörlitze時代には「Domiplan」と言われていたレンズです。
MayerOpticGörlitzeがVBEGörlitzeになり、その後「CarlZeissJena」とともに「PENTACON」となってからも、MayerOpticGörlitzeの基本設計を継承して量産され続けたレンズです。
レンズ構成は、3枚レンズのガウス式で、ローコストに出来ていることから、PENTACONブランドの主力カメラ「PRACTICA」用標準レンズとして大量生産され続けたレンズです。
探せば、すぐに出てくるレンズですので、eBayなどで吹っかけられない限り、3,900~4,900円程度で出てきます。
私は3,500円で入手しましたが、1971年頃の製品にしては、レンズ内のホコリも少なく、傷、くもり、バルサムはがれ等もないベストコンディションでした。
写り具合は「大暴れ」(バブルボケ)することもあるレンズなので、M42ピン押し込み用の部品がついた「アダプター」のカメラがいいでしょう。
撮影モードがAUTOだけなので、M42ピンを押し込んで、絞り環が絞り込めるようにする必用があるからです。
作例ですが、開放(F=2.8)で、あえて逆光撮影すると、背景が全部バブルボケになってしまい、何が何だか判らなくなります。
これもレンズ固有の味ですかね。
PentaFlex

開放で集合写真なんかを撮影すると、確実に「グーパン」が飛んでくることになるでしょう。
CarlZeissJenaの銘玉の代表格です。
Sonnar

本日のレンズは、CarlZeissJenaの銘玉の仲でも数少ない望遠タイプのレンズです。
名称を「CarlZeissJenaDDR Electrik MC Sonnar 135mm F=3.5」というレンズです。
この135mmのレンズは非常に使い勝手が良く、日本光学、旭光学、富岡光学などの国内レンズメーカーでも量産されています。
その原型としては、CarlZeissJenaのSonnarが該当するでしょう。
今回、ご紹介するレンズは、Sonnarの最終型で1970年代初期のレンズだと思われます。
レンズの絞り値をカメラの露出計に伝える電極(あくまでも絞り値を伝えるだけ)とAUTO&MANの切替ノブ、内蔵レンズフードが着いています。
レンズ構成は3群6枚構成の高い工作精度が要求される設計らしいのです。
そのあたりが、このレンズを模倣した光学機器メーカーとCaralZeissJenaの思想の違いだと言えるでしょう。
被写体の撮れ味としては、被写体は非常にシャープに写りますが、バックは被写体直後からボケが始まるというものです。
この特性のため好き嫌いがはっきりするレンズだとも言われています。
この優れた特性の望遠レンズは、ライセンス生産により、現在でも生産されています。
一部の読者の方へ…まだ終わらないよ。 訳のわからんレンズがあるからね。
作例です。 Sonnar135mmの特性が良く出た写真だと言えるでしょう。

CarlZeissJenaの銘望遠Sonnarで撮影
般若寺4
1970年代に製造されたと思われます。
Tessar-02

このCarlZeissJenaの「Tessar」は、1908年に蛇腹式カメラの標準レンズとして、3群4枚の最小構成のレンズとして設計されました。
これが、第一世代の「Tessar」で、その後M42マウントの「Contax-S」が開発されると、その標準レンズに改設計されたのが第三世代(15枚絞り羽根)だと思われます。
この優れた標準レンズは、その後も改設計が続けらられ、最終的には1970年代まで改設計が続けられたとされています。
東西ドイツの統合が行われた1990年以降は、旧西独の「CaralZeiss」(ZeissOpton)で、製造と改設計が続けられ、現在でも優れたレンズとして、その地位を譲っていません。
作例ですが、上が1940年代~50年代のTessarで、下が1970年代のTessarです。

1940年代~50年代です。
Tessar-01

1970年代です。
Tessar-03