ブラジル国家を形成する「3大人種(黒人、白人、インディオ)」の一つを祝う「黒人の日」の11月20日午前、聖市のセー大聖堂にはアフリカの歌声が響きました。
 ミナス州のキロンボ・カシンブーからきたアルカンタラ聖歌隊は、かろやかに身体を揺らし踊るように歌います。一見して黒光りする顔ばかりが胸を張って、ずらり40人ほど正面階段に並ぶと、実に壮観です。
 まず黒檀のような見事な肌の指揮の男性が「遙か昔に海を渡った祖先に」と語ると、腹の底から響く太い声で独唱を始め、続いて聖歌隊がクラシック音楽のようにゆっくりとした荘厳な和音を唱和しました。
 途中から早い曲調に変わるとジャズ風ピアノやアフリカ伝来のサンバ風打楽器が伴奏に加わり、北米のゴスペルとも違う、アフリカでもない、黒人逃亡奴隷の隠れ里を起源とするコムニダーデならではのブラジル的旋律にかわりました。
 楽しそうに歌う、自らの文化に誇りを持った表情が、なんかまぶしいなと思いました。ちなみに写真の手前の絵は、バイーア州の奥深くに逃亡奴隷共同体を作った伝説の人物ズンビーです。
 ちょっと厳粛な気持ちになって大聖堂を出たら、道ばたで同じ色の肌を持つ路上生活者が、死んだように寝ていました・・・。(深)

ニッケイ新聞の日常的ブラジル-アルカンタラ聖歌隊のみなさん


 ロンドリーナ市の市立市場には日系商店がたくさん入っていて、まるで小さな東洋街のよう。中でもバール兼ペチスカリア(つまみ店)の「浅田」に目を引かれた。というのも、看板には漢字で「浅田」とある横にアルファベットで「Assada」(ポ語で「焼きモノ」)とある。自分の苗字から発想して、わざわざ焼き物の多いつまみ店にしているのかと、パステルをほおばりながら妙に合点。念のため日系店員に尋ねてみると、「関係ありません」とのつれない返答・・・。ちなみに記者が食べたのは、朝だ(アサダ)った。  (深)

ニッケイ新聞の日常的ブラジル-浅田
これは合成画像ではありません。
12月10~11日に、パラナ州ロンドリーナに取材にいき、ブラジルらしい光景を目撃!!!
昨年6月にブラジル日本移民百周年を記念し、皇太子殿下をお迎えしてイナウグラソン(開場式)をした中川トミ公園を訪れると、なんと三連の鳥居の向こうにクリスマスツリーがそびえる・・・。ああ、こんな文化混交の眺めはブラジル以外ではあり得ない。しかも、このツリーは41メートルも高さがあり、南部3州では一番大きいとか。
この中川トミ公園には計4基の鳥居があり、その下には写真のように、地元の子供たちが楽しそうにたむろしていた。その一人、ロンドリーナっ子のエジネル・レイスさん(15)は「他の公園とちがって、ここは手入れが行き届いている。ぼくらのお気に入りの場所さ」と太鼓判をおす。ちなみに、ここは英国系植民会社が開拓した町なので、小ロンドンを意味する「ロンドリーナ」という名前になったとか。
ブラジルの鳥居は、神道から切り離され、《日系を象徴するシンボル》として普及している姿をまざまざと見せつけるモノ。世界一のカトリック人口を誇るキリスト教大国ブラジルは、知られざる鳥居大国でもある。ニッケイ新聞の調査では、その数なんと70基以上を数える。日本以外にこんなに鳥居がある国があったら、ぜひ教えて! 小ロンドンに鳥居がそびえ、ご本尊はクリスマスツリー。これぞブラジル?!(深)

ニッケイ新聞の日常的ブラジル-ロンドリーナの鳥居とクリスマスツリー