「ためらわずに言うことができる。いい人は帰ってこなかった、と」 と言い切る人の誠実 | [虹ぷしゅ]nijipushu nijipsych

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「瞳に涙がなければ魂に虹はかからない」ネイティブ・アメリカンの言葉
「ひとり、燈(ともしび)のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むるわざなる」徒然草

同じ白人ユダヤ人(アシュケナージ;カザール帝国改宗ユダヤ人)でも、
先の方のアルバート・エリス先生の印象と対照的に思い出したのは、
永田勝太郎先生のフランクル先生の思い出でした。

永田勝太郎先生は、疼痛性障害の治療に精力的に取り組まれている、
日本で疼痛治療のパイオニア的な方です。
麻酔科から、漢方・鍼灸から、最先端の測定機器から、
音楽療法
温泉療法まで、
西洋医学・東洋医学・心身医学を統合した新しい医療を模索され、
痛みで苦しんでいる患者さんの苦痛を少しでも緩和してあげられないかと、
ほんとうにさまざまなアプローチを実地で学び、
それを患者さんたちに還元しておられます。
その取り組みの柱の一つに
「実存分析(実存カウンセリング)」
がありました。

永田先生のすごいところは、
西洋医学でも東洋医学で心身医学でもその他の治療法でも、
自分で当代一の治療家のところに行って教えを請い、習得されていくところで、
心身医学はたしか九州大学の酒見先生のところだったかな、
そして、「実存カウンセリング」では、

なんと、

直接、ヴィクトール・フランクル先生のところを訪ねて
教えを受けてこられたのです!
 
フランクル先生についても、

ずるがしこいことをせずにアウシュビッツから生還できるはずがない

と批判的な声を聞いたことがあります。


実際、フランクル先生自身の言葉にも

「何千もの幸運な偶然によって、

あるいはお望みなら神の奇跡によってと言ってもいいが、

とにかく生きて帰ったわたしたちは、みなそのことを知っている。

わたしたちはためらわずに言うことができる。

いい人は帰ってこなかった

と」
 
とありますが、

そのような自責の念とその元になった事実がたとえあったとしても、

そのように自身を見つめ、悔い改める人に

心底あこぎな人がいるだろうかとも思います。
 
永田先生は一貫して、

フランクル先生の慈愛ある導きに感謝し、

その誠実な人柄を敬愛しておられましたが

(お会いしたような書き方ですが、

永田先生についても私淑の域をでません)、

わたしは、世に流れる様々な“百聞”の方ではなく、

永田先生の
“一見” の方を信じたいなぁと思います。



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