外で待機するようになってから何日も経ったある日、教頭に聞きました。
 
「異常な事態になってしまっているのに、どうして状況を確認しないのですか?」
 
と。
 
 
 
 
すると、驚くような返答がありました。
 
「場所を聞いていましたし、下校時にお迎えに来られなかったら、
 
見に行こうと思っていました。」
 
 
 
 
私は、あまりの酷さに言葉を失ってしまいました。
 
 
 
 
何かが起きてしまうまで放っておくなんて・・・。
 
 
 
 
何かが起きてしまってから動くのでは、遅過ぎます。
 
 
 
だいたい場所を聞いていたところでイメージに過ぎず、実際に足を運んで、
 
自分の目で確認する必要があったのではないでしょうか?
 
 
 
季節は、夏から秋になり、秋から冬になりました・・・。
 
 
 
湖北地方なので、冬場はとても寒いです。
 
 
 
何日も何日も、長時間も冷たいコンクリートの上で過ごし、
 
時には雨風にさらされて、心身の疲労が蓄積していきました・・・。
 
 
 
とにかく眠くて眠くて、でも、寒くて寒くてとても眠れず、
 
意識が朦朧としてしまうこともありました・・・。
 
 
 
何とか眠ることができても疲労感が増してしまい、
 
『冬山で眠ってはいけない』とは、こういうことをいうのだと実感しました。
 
 
 
寒さが日に日に厳しくなっていく中、限界を感じ、
 
「こんなことを続けていたら、命に関わってしまう。」と思い、
 
靴箱が置いてある場所に居させてもらえないかお願いをし、
 
そこに置いてあるベンチに座って様子を見ました。
 
 
 
下はコンクリートなので冷えましたが、
 
雨風がしのげるだけでも随分違いました。
 
 
 
でも、遅刻や早退で児童や保護者の出入りが多かったりして、
 
想像していた以上に目立ってしまいました。
 
 
 
それなので、数時間でまたいつもの場所に戻りました。
 
 
 
しばらく経ってから、ちょうど教頭が通りがかったので事情を話し、
 
他に居させてもらえる場所がないか相談しました。
 
 
 
すると、「あそこなら鍵を開けられます。」と言われ、
 
指を差された先は・・・。
 
 
 
上の写真の建物だったのです。
 
 
 
「あれは、何の建物ですか?」と聞くと、教頭が
 
「ボイラー室です。密室にはなってしまいますが、冬は暖かいと思います。」
 
と言ったのです・・・。
 
 
 
私は驚いたのと、ショックで、しばらくの間、
 
言葉を失ってしまいました・・・。