生命保険の証券番号が必要で、証券を昼間探していた。
だんなが保管していたことを思いだし、書類をしまっているバインダーを取りだした。

そしてパラパラとめくりながら、目的のものを探し出す。

このバインダーにはだんなの大切なものが保管されているものだとは分かっていた。

だから、一度もさわったことはなかったし、見てやろうという気もおこさなかった

今日は致し方なかった
生命保険控除の申請の期限が迫る中、書類不足で取り寄せる必要があったから。
ページをめくると、あるものが目に入った。
心臓が跳ねるような感覚を覚えながら、それどころじゃないと見て見ぬふりをした。

他にも2、3点みたくないものがちらりと顔を出す。
心臓の速さが2倍になっていることを自覚しながら、それでも証券を探し続けた。
そして目的のものをみつけ、電話での書類申請を終え一息ついた…

テーブルに残された証券とバインダー。

しまえばいいのに、目にとまったページをもう一度めくった。

『公正証書』と記された薄い紙数枚。

話しにはきいたことはあっても、実際に見たのは初めてだった。

だんなの過去を垣間見る。見たくないのに、体と心は裏腹だ。

協議離婚にあたっての約束事が箇条書きで記されていた。

ここで初めてだんなの元嫁の名前を知った。二人の間にできた子どもの名前も、実年齢も知った。いつ別れたのかも知った。

だんなはバツ2だ。

この証書の相手は一人目だった。

二人目のときの書類もあるのか探したが見つからない。

しかし今も払い続けている養育費の明細書をみつけた。
振り込み相手の名前から、元嫁の名前だとわかった。
わたしは何をしているのだろう。こんなことをしても仕方ないのに。

だんなは別に隠すつもりはなくて、ただ今までわたしが知りたくなくて聞いてこなかっただけだった。

だから、これを見たからといってだんなを責めることはできたない。

もし文句をつけるとしたら、こんな書類といっしょくたにしないでほしいと言うくらいだろうか。

でも一つだけ…

どうしても腑に落ちないといいか…嫌悪感を感じることがある。

だんながお腹の中にいる赤ん坊の名前を『○○○』にしよう!!と言った。夢の中で思いついたという。

決定したわけではないが、わたしもいい名前だと思った。だんなに決めてもらっても全然構わなかった。

しかしだんなと元嫁の間にできた長男の名前が『○○△』と一文字違いだと知って愕然とした。

漢字こそ違うが呼び名が一文字しか違わないのは単なる偶然なのか。

時々だんなを理解できないことはあった。でも二人で話し合って今まで乗り越えてきた…

まただんなのことが理解できない、だんなに嫌悪感を感じた。

赤ん坊の名前は自分が決めようと思った。
今はシロかクロかはっきりしない
ちょっとしたことが妄想となり不安を掻き立てる

いつもより帰宅時間が遅いと…メールの返信がないと…何かいつもと違うとダメだ。心がぐらつく。

でもこれといった根拠もないから、一晩たてば…だんなさんの顔をみたら…仕事に行けば忘れてしまう。

ひとりでいる時間がだめだ。不安が募って弱い自分が顔を出す

結婚する前はそんなんじゃなかった。
ひとりの時間が好きで、自分なりに楽しく過ごしてた
何故自分がこんな不安定になってしまっているのか、その理由はわかる。

結婚する前にわたしはだんなさんとは別に好きな人がいた。
8月に入籍して、お腹の中には7ヶ月になる赤ん坊がいる。

誰からみても新婚ほやほやの夫婦の筈が…

当の本人たちもそう思っていたけど…

だんなさんはそうは思っていないのかもしれない

何故そういうふうに考えるようになったのか…自分の頭の中を整理したいのと、物事にシロクロつけたい自分がいて、だんなさんの観察日記をつけることにした。

不安材料
その1:だんなさんの誕生日は1月だが、誕生日に泊まりで出張が入ったと告げられた
しかも12月だと思っていたのが1月だったと訂正され、出張じたいの話を自分は聞かされていなかったと言うと、言った言ってないの問答になり、挙げ句逆ギレされた。
その2:職場に公私とも仲のよい異性がひとりいる。先月その異性は部署異動でだんなさんとは離ればなれになった様だか…
来月ふたりでお食事に行くらしい…
堂々と話され「あーそう」としか返事できなかった。日常会話でこの異性の名前や話が出る時のだんなさんは楽しそうだ
でもいつもあっけらかんとぶっちゃけられるので、自分のこの複雑な感情はただの焼きもちであると理解している。そう思いたい!!その3:近場に太刀魚を釣りに行ってくると言ったので、晩ご飯のおかずになることを期待し待っていた。普段なら、だんなさんから実況で携帯に連絡を入れるのに音沙汰なし。自分から連絡すると今日はぼうずだと返事あり。お互いお腹もすいたし帰っておいでと言うたら素直に「うん」
片付けて帰ってくるのに、30分もかからないのに、それから1時間半くらいしてようやく帰宅。
後輩と一緒に釣りをしていたとその時初めて話し、遅くなった事情について弁解していた。
最近の細かい不安材料はこんなもん。
今まで付き合ってきた彼氏やもちろんだんなさんの携帯を覗き見したことは1度もなし。
現在も見てやろうという気はなし。
だんなさんスマホにしてからは知らないけど、前の携帯の時…なぜかロックかけてた。
なんか着メロをダウンロードしてほしいって操作を頼まれて、携帯を触った時にそれが判明。
問い詰めなかったけど、かなりショックが強かったことは覚えてる。

怪しさよりも見たりしないのに!!って疑われたことの方がショックが大きかった…