朝5時
インターホンが鳴った
「渋川さーん、お届け物でーす」
渋川?だれ?夢かな?と思いながら目も開けられない状態。
「渋川さーん。解錠しますねー」ガチャ
…………は?かいじょう?
なぜだか血の気が引いていく。
またインターホンが鳴った。
まだ目も開けられない。
恐怖でガタガタ震える。
どうにかして起き上がろうとするも、体が言うことを聞かない。
ガチャ
(嘘でしょ…嘘嘘嘘嘘嘘嘘!!!)
ガッ
「渋川さーん、ここにいたんですね〜」
肩を掴まれ顔を覗き込まれても、悲鳴も上げられずガタガタ震えるばかり。
しかも相手は2人組。
(まずいまずいまずいまずい)
押さえつけられそうになったところを間一髪ですり抜け、何とか起きた体で固定電話に手を伸ばす。
相手もその意図が分かり、止めようとしてくる。
なんとか110番が押せたが、なかなか警察に繋がらない。
「早く出てよ!!」
叫び懇願しながら侵入者と攻防する。
何とか繋がった。
「助けて!!早く助けにきて!!」
焦って助けを呼ぶことしかできない。
侵入者との会話を聞いて、指名手配犯だということがわかった。
電話を切られた。
住所を言ってない!助けが来ない!
狭い部屋の中、色んなもので抵抗しながらまた110番する。
やっぱり繋がるのが遅い。
ようやく出て、住所を告げる。
現実と住所は全然違うが、大声で威嚇しながら住所を告げる。
逆探知で大体の場所は把握していたらしく、細かい部分を聞いてすぐに駆けつけるとのこと。
その間もずっと対峙している。
もう、泣きながら震えながら叫びながら立っているのも不思議なぐらい。
1人は六角精児をもっと太らせた感じで部屋を物色し、さっきからずっと対峙しているもう1人はCOWCOWの多田のような顔。ずっとニコニコしているのが不気味だ。
ついに多田のような奴が陶器を持ち出した。
それを振りかぶって襲いかかってくる。
(こ、殺される!!)
必死に掴んだ布団で受け止め、押し返す。
不思議そうな顔で陶器を落とし、また別の何かを掴んでいる。
未だ恐怖で体が震えていて、もう無理、と力が抜けそうになったところでようやく部屋付近に警察が到着。
ベランダに逃げる2人。
隣の部屋に侵入して行った。
壁に穴を開けられていて、隣の様子が丸見えだ。
(嘘でしょ…何で全員女性で来てるの!?)
4〜5人で突入してきたのは全員女性警官。
しかもみんなスカート履いている。
絶対捕まえるの無理だと思ったが、侵入者達はなぜか観念したらしく、抵抗することなく手錠をかけられ連行されて行った。
それを見届けて、まだ恐怖に震えながら飛び起きた。
夢で良かったと思いながら、ものすごくリアリティのある夢だった。
未だに心臓バクバクで怖い。