心理学者が見た恋活・婚活のリアル

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恋窓-koimado-へのご相談>

 

私は生まれつき、デコルテや胸、顎にアザがあり、vネックやデコルテを見せる服を着るのに抵抗があります。又童顔であるため、どんなファッションがあっているのか分かりません。もし返信頂けるようなら私の写真をお送りしますので、ご相談に乗っていただけると幸いです。重ねてその為、連絡も奥手です。生まれつきアトピー性皮膚炎を患っている為、付き合いだしたら、相手には全てうちあけるつもりですが、わかってくれるでしょうか?相手は私と一緒いて、不快な思いはしないでしょうか?何卒宜しくお願いします。

── 畠中(20代,男性)

 

ファッションについては私は専門ではないので答えられないのですが、参考になるかもしれないと思い、私の過去の経験をお話しできればと思います。

 

もう一つのご相談に関しては結論から言えば「わかってくれると思いますし、不快な思いはしないと思います」になりますが、それでは味気ないので以下で少しだけお話しします。

 

ファッションについて

畠中さんとは理由が違いますが、私もVネックやデコルテを見せる服を着るのには抵抗があります(というか、着ません)。どのようなファッションが似合っているのかもわかりませんでした。ですので、初めて洋服(お出かけ用の洋服)を買うときは、ファッションに詳しい(自分から見てセンスがあるなあと感じる)友だちにお願いして、洋服選びを手伝ってもらいました。

 

「似合う洋服を買いたいのだが、どのような服を選んだらいいのかわからない」と伝え、お店選び、洋服(上下)選び、小物選び、すべてをお願いしました。ファッションに詳しい友だちであれば、「どんなときに着る服?」とか、「予算はだいたいどれくらい?」とか、いろいろ相談にのってくれると思いますので、それには答えながら、コーディネートはお任せでした。

 

そのように1回お友だちと買い物に行くと、いろいろなことがわかります。たとえば、洋服選びの際にどのようなポイントがあるのか、自分に似合うと相手(友だち)が考えている服(色、形など)はどのようなものなのか、自分が着たくない(抵抗感のある)服はどのようなものかなどです。自分が自信を持てない領域は、信頼できる友だちにお願いし、その子のセンスをマネするのがもっとも良いと思います。

 

それと同じことですが、自分があこがれている人をマネするのも1つの手です。たとえば、私は胸ポケットつきの白いシャツをよく買いますが、あこがれている人がよく着ていたからそのような服を買っています。似合うかどうかは「着慣れ」にも影響されますので、いきなり自分に1番似合う服を選ぼうとするのではなく(もちろん、最初から選べるのが1番良いですが)、いろいろな服(自分が着たい服)を試しながら、自分なりに似合う服を探していくことが大事だと思います。たまに友だちと一緒に買い物に行って、似合うかどうかを確認してみるというのもありかもしれません。

 

自分の気になるところについて

さて、「自分が気になるところ」をお付き合い相手がわかってくれるのか、不快に思わないか、という点に関してですが、付き合い出したらわかってくれるし、不快にならないと思います。なぜならそれが「付き合う」ということだからです。付き合う前に完全に「自分が気になるところ」を隠せていて(バレないようにしていて)、付き合ってから打ち明けるという場合は別かもしれませんが、そうでないのであれば、お付き合いできた時点で、畠中さんの「自分が気になるところ」を相手は気にしていないから「付き合う」わけです。

 

「自分が気になるところ」は自分にとってとても重大な問題なので、人も自分と同じこと(「自分が気になるところ」)を自分と同じくらい気にしていると思ってしまいがちですが、まったくそんなことはありません。知人や友人からその人の「自分が気になるところ」を打ち明けられたときに、「え、別にそこまで気にすることなくない?」と思った経験はありませんか。逆も同じです。相手も自分の「自分が気になるところ」に関しては、自分が思っている以上に気にしていないものです。

 

「自分が気になるところ」そのものよりも、それによって卑屈になってしまい、その卑屈さを相手に押し付けてしまう方が、相手が不快になる可能性は高いと思います。たとえば、「本当に僕のこと好き?」と何度も確認したり、「え?僕がこの点について気にしていることを知っているはずなのに、なんでそんなことするの?」という気持ちで接してしまったりすると、相手は嫌になってしまうと考えられます。

 

人間誰しも「自分が気になるところ」があります。ですので、「自分が気になるところ」が気になってしまう人も現実にはいると思います。そういう人と関係を築くこともできるとは思いますが、かなりの努力が必要になります。努力をするのもいいですし、あるいは、そういう人との関係は諦めて、「自分が気になるところ」を気にしない、自分にとって居心地が良い相手と関係を築くという選択肢もあります。私としては後者がおすすめですが、前者もありだと思います。それは畠中さんの選択次第です。

 

自分が好きな服を着て、自分が好きな相手と楽しく過ごす。畠中さんがそんな日々を過ごせることを祈っています。

 

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恋窓-koimado-へのご相談>

 

私は既婚で子供はおりませんが、10歳以上年下の部下と不倫関係にあります。彼女には学生時代からの片思いの男性がおり、その相談を受けるうちに肉体関係をもってしまいました。お互い好意はあったようですが、当時は私はそこまで本気ではなく、彼女も年上男性との関係に興味があっただけでした。しかし、会う回数が増えていくと好意は増し、しかし私は離婚するつもりも無く、それは彼女も同意していました。いざ、彼女は相談していた彼と交際が始まると私は言いようのない嫉妬に苛まれ、それを彼女に伝えました。すると彼女は、彼も好きだが私への好意も増していてこのままの関係を続けたいと言われました。私はそれを了承しましたが、やはり嫉妬は解消されず、でも彼女はそんな私に優しく接してくれました。その後、ある日彼女との遠出のデートが決まったのですが、前日に仕事のせいでキャンセルになる可能性があることを彼女に伝えました。結果キャンセルにはならず行ける事になったのですが、その際彼女から、「実は彼との交際は関係なく不倫関係は解消しなければと思っていた。行為が薄まらないかと期待していた。今までの上司部下に戻りたい。しかし、遠出がキャンセルの可能性があるのなんて分かっていたのに、彼氏もできて、連絡も少なくなり、このまま会わなくなっていって関係が薄まるかもしれないと思うと、私は無理だ、普通に生活できない、好意が増している、やっぱりめちゃくちゃ好きで会いたいと思ってしまった。だから本気で好きになったから、このまま続けたい」と言われました。私は心底嬉しく、このままの関係を続けると決めましたが、彼への嫉妬等に耐えられるかという不安もあり、しかし彼女の本音を聞き安心した気持ちもあり、ただなんとか受け入れて時間も経てば良い関係になれるだろうと思いました。そしていざ遠出のデートをすると、彼氏なんか関係なく、とにかく彼女を手放したくないと強く思いました。この先彼女は問題なければ今の彼氏と結婚をするでしょうし、その前に同棲も始まります。いくら本気で好きとはいえ、どこかのタイミングで私との別れを選択されてしまうと考え、その考えは初めからずっと思っていたのですが、離れる不安がかなり大きくなってしまいました。
私の相談内容としては、20代中盤の長年の片思いから交際することができた女性が、本当に私に好意があるなんてことがありえず、彼女を信じきれない気持ちや、いつかきてしまう別れへのとてつもない不安等をどうすれば解消できるかです。
色々相談窓口の内容を見てきましたが、既婚男性と彼氏持ちの未婚女性で、女性には途中から彼氏ができた形で、お互い離婚や別れを望まないでいて関係を続けたいという内容での悩み相談は無く、同じような境遇の方の意見や、体験談を聞いてみたいのですが、なかなかありません。側から見ればとても都合の良い関係のように見えそうですが、私は本気で好きで、なんとかこの都合の良い関係を続けたいのですが、このあまりにも都合の良い関係が終わる可能性を考えると言いようもない不安があり、その解消方法が全くわかりません。心の持ちようや今後の立ち振る舞い等についてご意見を頂ければ幸いです。

── ヤッホイ(30代,男性)

 

相談内容としましては

 

・お相手の方が本当に私を好きなのか?

・別れへの不安の解消方法とは?

 

の2つがあるかと思いました。

 

ですが,ヤッホイさんは,どちらといえば後者の方が気になっているように思えます。ですので,後者に重点を置いて考えていければと思います。

 

好意とは意味の創造である

以前,「想い出は人工物に宿る」という記事を書きました。「元カレ/元カノを引きずってしまうのはなぜ?」という知り合いからの質問に答えたものです。

 

詳細はその記事をご覧いただけたらありがたいですが,私たちが誰かを「好き」だという気持ちは,人工物の意味に深く関わっています。(記事では想い出と書いていますが,これはすなわち「好意」です)

 

たとえば,失恋の相談をしているうちにだんだんと相談相手に惹かれるみたいなことがあります。これは,相談という状況(人工物)が,別の意味(楽しい会話など)に上書きされたからです。

 

片思い相手のことを相談する時間・空間が,ヤッホイさんとすごす楽しい時間・空間に意味がヤッホイさんのお相手さんの中で上書きされたことで,「好意」を感じるようになったのだと思います。

 

好意の肝は「共創」(なにかを共有しながら一緒に創り上げる)ですので,お相手さんはヤッホイさんに本当に好意があるのだと思います。

 

ちなみに,以前「彼女のきもち。」という記事で,「行動の裏側に心(本心)はない」という話も書きました。ご参考になるかなと思いますので,ご興味ありましたらご覧いただけますと幸いです。

 

不安を観察する

では,今回の相談のメインであると考えられる「別れへの不安の解消方法」についてです。

 

結論から言えば,ありません。なぜなら,(今回の場合は関係の死ですが)「死別」への不安と根源的には同じであり,「こうやったら解消できる」というものはないからです。自分の中で折り合いをつけるしかありません。

 

でも,そう言ってしまっては,元も子もないので,不安を解消はできないかもしれないけれども,不安とうまく付き合えるかもしれない方法として,試してみてほしいことがあります。

 

それは「不安の観察」です。要するに「眺めてみること」です。

 

私たちはよくわからないものに対して不安を感じます。初めて挑戦することもそうですし,将来もそうですし,「死」もそうです。そういった「コントロールが及ばないもの」に対して,私たちはどうしても不安を感じてしまいます(その不安を刺激として楽しめる人もいます)。

 

しかし,「コントロールが及ばないもの」を無理にコントロールしようとしてもできません。であれば,不安を感じた場合に,その不安な気持ちを失くそうとか抑えようとか,見ないようにするのではなく,反対に,しっかりと見つめてみます。「ああ,わたしは今,不安を感じているなあ」と素直にその気持ちを感じてみてください(深呼吸から始めてみてもいいと思います)。その際,決して不安を「悪者」扱いしないでください。不安を感じていることを,そのまま受け止めてください。不安はコントロールしようとすればするほど,手に負えなくなりますので,不安に身を預けてください。

 

不安に身を預けるためには,不安を感じたままでも,リラックスして過ごせることができる環境をつくってください。書斎に1人でもいいですし,ファミレスで1人でもいいですし,不安を感じている時間を邪魔されない状況をセッティングしてください。どうしてもすぐにセッティングすることが難しい場合は,「あとでそのような時間をつくろう」と不安を感じる時間を先延ばしして,後からそのような状況をつくってください。

 

不安だけではなく嫉妬も同じです。嫉妬しないようにするのではなく,嫉妬している自分を見つめながら,嫉妬に身を預けてください。ポイントは,嫉妬を感じている自分を感じることです。嫉妬に入り込むと,嫉妬で頭がおかしくなってしまう可能性もありますので,嫉妬に身を預けながらも,今は嫉妬に身を預けているのだ,と感じている自分もいるようにしてください。もちろん,リラックスした環境も必要ですので,トイレに籠もるなり,ネカフェに行くなりして,自分が嫉妬の気持ちを感じていることを感じられるような状況をセッティングすることも大切です。

 

ただ,1人でできることには限界があります。「不安や嫉妬を素直に感じて,その気持ちを眺めてみて」と言われてもできないこともあると思います。その場合は,今の気持ちを素直に伝えられる誰かを見つけて,その方に話してみてください。できれば,職場の人ではない方がいいと思います。地元の人とか,遠くにいる親友とか,今の生活圏とは関係ない人が良いと思います。

 

なかなかそんな相手はいない!ということであれば,「恋愛カフェ@オンライン」というLINEのオープンチャットがあります(私が主催しています)。それなりの人数の方が参加しており,中には経験豊富な方もいらっしゃるようです。不安な夜や,嫉妬が収まらない日には,そちらで雑談していただいても良いと思います。

 

ヤッホイさんが不安や嫉妬と折り合いをつけられる日が来ることを祈っています。

 

 

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恋窓-koimado-へのご相談>

 

付き合いは遡って一年半くらいになります。
インターネットで知り合い、一度も会えてはいないです。
知り合って、少ししてから毎日ビデオ電話をするようになりました。私の性格があまりにもストレートすぎてある時、付き合って欲しいと言ったら相手は”No”の答えで私とは友達だと言って断られました。実はその後も毎日毎日、朝、昼、夜とまぁー良くビデオ電話したもんですよ。しかも、基本は彼女からの電話が99%です。
私からかけると何で電話して来たと言って、喧嘩売られます。ですので、基本は私が受ける側になっています。
そんな、友達状態が一年くらい続いて、ある日また私から付き合いたいと再び言いました。彼女の答えは”no”でした。そこで私が、付き合う気がないなら毎日電話したくないって言いました。何故なら毎日電話していると私が段々好きになってしまうからと、素直に言いました。その後、彼女とは約4か月くらい音信不通になっていました。その間、何度か私から電話やメッセージを送ったのですがブロックされている事に気づき、もう諦めていました。2月初め頃から音信不通になっていたある日、7月11日に突然彼女からビデオ電話がかかってきて、全く何事も無かったよう以前と変わらず話しました。そこから一週間彼女と以前と変わらず話しましたが、一周間が経ち突如として連絡が途絶えました。私は気になってメッセージで、どうしたの?何か悪いことしたかな?と彼女に尋ねました。すると彼女からビデオ電話がかかってきて、「私たちはまだ友達よ、また来月か再来月に電話する」と言って話しは終わりました。何日かして私からメッセージを送ったら、再びブロックされている事に気づきました。
は??っ感じでしたね。
何故ブロックされたか意味不明でした。

そこで、、、彼女が何をしたいのか。正直、私に気があるんであれば付き合いたいし、無いのであれば、また電話するとか言って期待させる事をしないで欲しいと思う次第です。ただ、現状は意味不明のブロックで再び音信不通状態なので今後彼女から連絡が来ない限り何も起こらない事だけはたしかです。

再びブロックされてそろそろ1か月になり正直不安には感じています。
この彼女の気持ちがお分かりでしょうか?

私は彼女自身も前向きに色々悩んでいるとは少し思っています。
彼女自身も今の状態の関係を継続させるとは思ってはないと思います。

出来る限り、彼女の本心を先生に解釈して頂けたら恐らく私の気持ちは落ち着くかと思います。
また、これも良くわからいですが彼女に新しい気になる人が現れてたとか???
正直これは可能性は低いかなと思っています。
だったら7月に4か月空けていきなり電話してくんなよ!とも思いますが、どう思われますか?

100%鵜呑みにする訳では無いですが、今後の私自身のモチベーションにも繋がるかと思いまして。
因みに。
電話してる時、んー、、、むしろ電話している時しかお互い知らないんですが、お互い自然体で楽しい時間を彼女と費やせていると私は思っています。
彼女の性格は、時々言っている事と反対の事をする傾向があります。以前から毎日電話しないといいなが毎日してきたり、まぁ自己中ですね。

── あき(30代,男性)

 

 相手の気持ちが理解できないとき,私にもありました。相談者さんと同じようにだいぶ振り回されました。ですが,見方を変える必要があります。端的に言えば,「行動の裏側に心はない」という見方です。以下で詳しく説明します。

 

行動の裏には心があるのか?

 

 何か理解できない行動を目の当たりにすると,私たちはその行動の裏側に何かあるのではないかと思ってしまいます。今回のご相談にあるように,しばらく音信不通になっていた相手から急に連絡が来たとき,「なぜ彼女は連絡してきたのか?私に気があるのか?それとも,ないのか?」と気になってしまいます。

 

 行動の背後に気持ち(心)がある。何か意図(心)があって行動している。これが一般的な見方であると思います。しかし,実は,行動の背後には何もありません。行動の背後に何かあると思ってしまうのは,私たちの日常生活によって生じている誤解です。

 

 たとえば,私は今,あきさんに文章を書いています。あきさんにこうやってメッセージを伝えるという行動の裏側には,どのような気持ちがあるのでしょうか。たしかに,少しでもあきさんの悩みが解消してくれたらいいなあと思って文章を書いていますし,お待たせしてしまって申し訳ないなあと思って文章を書いています。しかし,このような気持ちは,あくまで行動に理由をつけているだけです。私たちは,日々,理由をつけながら暮らしているので,何か理由があって行動をしていると思ってしまいがちですが,行動の理由は常に後づけです。私が恋窓-koimado-を設置して(行動),そこにあきさんが質問をしてくれて(行動),それに私は答えている(行動)。行動の背景には心ではなく,別の行動(あるいは,状況)しかありませんし,その行動をする理由は,状況に基づいてその行動をしようと思ったからでしかありません。

 

彼女はなぜ電話するのか?

 

 そう考えたとき,彼女はなぜ,ふたたびあきさんに電話してきたのでしょうか。簡単です。電話するような状況があったからです。1人寂しくなったからかもしれませんし,電話帳を眺めているときにたまたま目に入っただけかもしれませんし,焦らそうとしているだけかもしれません。理由はいろいろとありえますが,まず間違いなく,電話しようと思ったことだけは確かです。また,電話していない間に新しい気になる人ができたのかもしれませんし,できていなかったかもしれませんが,メッセージ後のビデオ電話のときに「来月か再来月に電話する」と彼女が思っていたことは確かです(あきさんがそう言わせるような状況を強制的に作っていない限りは)。

 

 彼女の「本心」(行動の裏にあるなにか)というものはありません。彼女の行動こそが本心です(連絡が途絶えた時は連絡できない状況があるだけです)。いまはブロックされているようですので,あきさんにどうすることもできず,モヤモヤするかと思いますが,次に彼女さんから電話がきたときは,「電話したくなったから電話してくれたのだ」と前向きな気持ちで,「本心」を探らずに,ただただ彼女さんの行動を素直に受け止めてみてください。自然体で楽しい時間を過ごせているのであれば(彼女さんもきっとそうだから電話をしてくれていたはずなので),行動の裏を見ずに,自然体で過ごしてください。

 

 ちなみに,相手に対する情報が少ないとき,人は相手の行動の原因を「心」のせいにしてしまいがちです。ですので,落ち着いたら,ぜひ,彼女さんと一度,対面でお会いしてみることをおすすめします。情報が増えれば,彼女さんのことがもっとわかると思います。

 

  あきさんの今後の進展を応援しています。

 

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恋窓-koimado-へのご相談>

 

僕が浮気してしまい今彼女にめちゃくちゃ謝っても許す気はないよとか送られていてすごく困っちます。

どうか仲直り出来る良い答えを教えて下さい。(10代男性)

 

久しぶりのご相談です。ド直球の相談で,微笑ましくなりました。

(すみません,ご本人にとってはヤバいことですよね)

 

答えは教えられませんが,すこしでもお役に立てるような回答をしたいと思います。

全文にヒントを込めましたので,ぜひ全文を読んでくれると嬉しいです。

 

どのようなときに許せなくなるか?:関係価値と不確実性

 

わざわざ私のところに相談のメールをくれたということは,

相談者さんにとって彼女さんとの関係はとても大切な関係なのでしょう。

 

このような関係の大切さのことを「関係価値」といい,

関係が大切であることを「関係価値が高い」と言います。

(正確には,関係価値とは,相手との関係が自分にとって有益であるかどうかです。)

 

関係価値が高いと,被害者は加害者のことを許しやすくなります。

 

今回の場合であれば,浮気した彼氏との関係を,浮気された彼女が大切だと思っていれば,

彼女は彼氏のことを許しやすくなります。

 

相談者さんにとって,(わざわざ私に相談のメールをするほど)

彼女さんとの関係価値が高いことを踏まえると,彼女さんにとっても,

相談者さんとの関係価値が高いかもしれません。

 

だから,許してもらいやすくなる!とならないのが,恋愛関係の難しいところです。

 

というのも,恋愛関係における許しにとって,

相手を信頼できるかどうかがとても大事だからです。

 

このような相手への信頼を「不確実性」といい,

相手を信頼できないことを不確実性が高いといいます。

(正確には,不確実性が高いとは,相手が私を騙す可能性が高いことを指します。)

 

大切な関係(関係価値が高い)であるにもかかわらず相手を裏切ると,

「将来もこの人は私を裏切るかもしれない」(不確実性が高い)

というメッセージになってしまい,もはや許せなくなってしまう可能性があります。

 

すなわち,大切な関係だったからこそ,裏切りのダメージが大きいということです。

 

なので,相談者さんがどれだけ彼女さんに謝っても,

彼女さんは許してくれない可能性があります。

 

「わたしは大切な人を裏切ってしまったのだ」ということをまずは肝に銘じてください。

 

どうすれば許されるのか?

 

その上で,どうすれば許されるのかについて考えてみます。

 

関係価値と不確実性が許しに影響するという話をさきほどしました。

 

ということは,関係価値を高め,不確実性を低めることが,

許してもらえることにとって重要です。

 

関係価値とは,相手との関係が自分にとって有益であるかどうかです。

 

有益とは,たとえば,安心感を与えてくれるとか,活力を与えてくれるとか,です。

お金を与えてくれるも有益に含まれます。

 

何らかのことを行うことで,関係価値を高めることが,

相談者さんが彼女さんに許してもらえる一つの方略です。

 

ただし,相談者さんの場合,おそらく,

彼女さんはすでに相談者さんとの関係の価値が高いと思っているようにもみえますので,

関係価値を高めるよりも,不確実性を低める方が良いような気もします。

 

不確実性を低める一つの手段は,コストのかかる謝罪です。

コストのかかる謝罪とは,時間やお金をなどのコストを伴って謝罪することです。

 

たとえば,LINEで謝罪することは簡単です。

 

しかし,彼女の自宅まで行って謝罪することは移動時間や移動費用がかかるので,

LINEで謝罪するよりもコストがかかっています。

 

あるいは,お詫びの気持ちに,好きなものを買ってあげるとかも,

コストのかかる謝罪の一つです。

 

相手に誠意が伝わるような謝罪をするというのがポイントです。

 

何に誠意を感じるかというのは

相談者さんと彼女さんがどのような関係なのかによって決まりますので,

誠意が伝わるような謝罪を,コストをできる範囲で度外視して行ってみください。

 

そうすれば,許してもらえる可能性が高くなります。

 

第三者の介入

 

といっても,相談者さんはもうすでにたくさん謝っているような気もしますし,

「めちゃくちゃ謝っても許す気はないよ」と彼女さんに言われてしまっている以上,

(謝り続けることは重要ですが,)ただただ謝り続けるのもあまり効果がないように思えます。

 

そこで,私からの提案としては,(彼女さんの友人と知り合いなのであれば)

「彼女さんの友人に相談する」です。

 

すなわち,(何らかのかたちで)彼女さんの友人に協力してもらうということです。

 

彼女さんの友人は相談者さんに絶対に良い顔をしないでしょう。

そして,断られる可能性もあります。

 

なぜなら,相談者さんに協力することは,

友人である彼女さんよりも相談者さんの立場に立つことになるからです。

 

しかし,逆に言えば,彼女さんの友人に協力してもらえれば,

強力な後ろ盾ができるということでもあります。

 

彼女さんの友人にコンタクトをとって,

 

「自分が彼女さんを裏切ってしまったことを反省し,なんとかやり直したいこと」

 

を切実に伝え,

 

「どうすれば彼女さんと仲直りできるかについて知恵を貸して欲しいこと」

 

を相談してみてください。

 

協力してもらえれば,仲直りするための良いアドバイスがもらえるかもしれませんし,

もしかしたら,仲裁してくれるかもしれません。

 

2人の間では解決しなかった問題も,第三者が入ることによって,

解決に向かうことがあります。

 

友達になる

 

彼女さんの友人にコンタクトを取るというのは,とてもハードルが高いです。

 

しかし,(浮気の)仲直りをするというのは,一般的には簡単なことではありません。

それくらいのハードルは必要です。

 

ですが,どうしてもコンタクトが取れない場合もあるかもしれません。

そこで,別の方法としては,「友達になる」という選択肢もあります。

 

相談者さんは現在,彼女さんと恋愛関係,すなわち,恋人関係であると思います。

「友達になる」とは,恋人関係を一旦解消して,友人関係になるということです。

 

もう一度友人からやり直し,ある意味,相談者さんが,

彼女さんに片想いしている状態として関係をやり直します。

 

そのように関係を続けていく中で,あるタイミングで,

相談者さんから彼女さんに告白をし,OKをもらったら再度お付き合いをする。

 

つまり,リセットして最初から始めるということです。

 

気をつけてほしいのは,「友達になる」というのは距離を置くという話ではありません。

 

あくまでお付き合いする前の状態にいったん戻ること,

それによって,当時の気持ちを取り戻すことがポイントです。

 

 

彼女さんとの仲が回復することを願っています。

 

参考文献

大坪庸介(2015).仲直りの社会心理学──価値ある関係仮説とコストのかかる謝罪── 社会心理学研究,30,191-212.

 

 

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<前回はこちら:みかんとりんご──婚活アドバイザー試論(2)>

 

商人タイプの支援は,婚活者が将来どうなるかとか,あるいは,将来をどう切り開いていけるかよりも,婚活者が現実に適応することを目指します。

 

そのため,無限の可能性があるはずの婚活者が,現実(現在良いとされている基準)に適応させられてしまいます。

 

現実は最良でも最高でも何でもなく,むしろ悪い状況であるかもしれないのに,婚活者が現実に合わせられるという状況が生じます。

 

もしかしたら,現実(現在良いとされている基準)よりも婚活者が持っていた基準の方が良かったかもしれないにも関わらずです。

 

明らかに望ましくないでしょう。

 

市場を最良(あるいは最善)と考えているとこのような悲しい状況が生じます。

 

そうならないためにも,「隣人的」結婚支援が必要です。

 

「隣人的」結婚支援とは,市場あるいは現在の基準を最良と考えるのではなく,婚活者の持っている基準を軸に結婚支援を行うことです。

 

たとえば,サッカー選手になりたいと思っている子どもにまずはサッカーボールを渡すとか,サッカークラブの情報を伝えるとかは「隣人的」支援です。

 

これと同じように,婚活者の望みを叶えるには何が必要でどうしたらよいのかに頭を捻る支援の在り方が隣人的結婚支援です。

 

このような支援の在り方は商売(金儲け)には向いていないと思います。

 

商売をしようとした途端,「隣人的」支援は「商人的」支援に成り代わってしまう可能性があります。

 

なぜなら,「隣人的」支援は圧倒的に費用対効果が悪いからです。

 

ですが,だからといって「隣人的」支援が常に大きな自己犠牲を伴うというのもつらいと思います。

 

「隣人的」支援をいかに増やしていけるか。これが今考えている私なりの課題です。

 

 

<前回はこちら:みかんとりんご──婚活アドバイザー試論(1)>

 

結婚支援を謳う方のパターンには大きく2パターンあります。

 

前回書いたような「商人的」結婚支援と,「隣人的」結婚支援です。

 

「商人的」支援は商売のために目立つ必要があるため,表に出てきやすいです。

 

そして,そのような商人的支援は,「婚活者に現実を突きつける」(「そんな額じゃ買えないよ」「りんごなら買えるよ」と言うこと)ため,

 

「正直で良い」「はっきりしている」などと言われていますが,

 

これは自分の「商売」のためであり,決して婚活者のためとは言えないと思います。

 

もちろん,正直に言わないといけないこともあると思いますので一概に正直がダメだとは言いませんが,「正直であること」=「良いこと」ではないわけです。

 

商人的な婚活支援者を好む人もいると思います。ですから,存在意義自体は否定しません。

 

しかし,そのようなタイプの支援者が表立っている現状には危機感を覚えます。

 

なぜなら,そのような商人タイプの支援者は婚活者の可能性を奪う可能性があるためです。

 

 

みかんとりんごしか存在しない市場があるとします。ただし,その存在比率は異なっていて,りんごの流通が99%,みかんは1%しか流通していません。

 

Aさんはバイヤーです。市場からりんごあるいはみかんを買い付けて売ることを生業としています。

 

ここで,みかんが欲しいKさんがいたとします。

 

みかんは希少価値が高いので,Kさんがそれなりのお金を持っていたら,Aさんは喜んでみかんを探し,Kさんに買ってもらおうとするでしょう。

 

同じく,みかんが欲しいMさんがいたとします。

 

しかし,Mさんはあまり現金がありません。

 

このときAさんは,みかんを探すあるいはMさんがみかんを買えるように頭を捻ることはしません。

 

Mさんに対して,「そんな額じゃ買えないよ」と言うか,「りんごなら買えるよ」と言うかのどちらかです。

 

この話にはとくに違和感はないかと思います。Aさんはバイヤーですし,経済市場的にはその通りでしょう。

 

しかし,この話を結婚支援に置き換えて考えてみてください。

 

Aさんは結婚支援をする人,みかんとりんごは恋人あるいは配偶者候補,Kさん,Mさんは恋人あるいは配偶者を探している人と読み替えてみてください。

 

Aさんの行っていることは「支援」と言えるのでしょうか。

 

「支援」というよりも,バイヤーと同じく市場原理に則った商人ではないでしょうか。

 

Aさんは自分のコスト(お金のない人がどうすればみかんを買えるのか頭を捻る)を避け,

ベネフィット(費用対効果に見合う仕事をする)を最大化することを目的にしており,

みかんが欲しい人の利益を最大化することを意図してはいません。

 

Aさんが自己犠牲する必要はまったくないですが,「支援」というのは,支援を求める人の希望が叶うように支えようとすることではないでしょうか。

 

 

<前回はこちら:行為も文脈に規定される>

 

こころとは,その人だけのものではなく,その人を取り巻く文脈(状況,社会,文化,歴史など)によっても規定されます。

 

以下のエピソード(登場人物はすべて仮名)を見てみましょう。

 

 

マキちゃんは同じ高校に仲の良い友達が3人います。マキちゃん以外はみんな彼氏がいて,なかには彼氏が2人いる子もいます。「彼氏が2人いるって変だよなあ」とマキちゃんは思いつつも,女子会で彼氏の話で盛り上がれないことに寂しさを感じていました。ある日,マキちゃんは同じクラスのタカシくんから告白されます。タカシくんとは数回喋った程度で,あまり親しくはありません。でも,告白されて嬉しかったし,女子会で彼氏の話ができるし,と思って,マキちゃん
はタカシくんと付き合うことにしました。

 

 

前回,前々回ともにこのエピソードで「こころと行為の文脈規定性」を考えました。

 

冗長かもしれませんが,もう1つだけ例を示したいと思います。

 

 

マキちゃんは「彼氏が2人いるって変だよなあ」と思っています。多くの方は「恋人が2人いることは良いことではない」と感じると思います。

 

しかし,このように感じるのは,恋愛関係が1対1の関係という前提があるためです。このような価値観は戦後に普及しました。

 

私たちは素朴に「恋愛関係は1対1」と考えており,それが当然だと思っています。しかし,それは決して普遍的に当然のことではなく,文脈(歴史)によって形作られてきたものです。

 

ただし,だからといって,浮気や不倫が良いわけではありませんし,浮気や不倫をするのが人間の本性であると言ってるわけでもありません。

 

あくまで,私たちのこころ(今回で言えば価値観)は文脈によって形作られるという意味です。

 

私たちのこころは,確かにその人が感じるという意味ではその人のものですが,決してその人だけのものではありません。

 

おそらく私たちが他者に共感できるのは,このような文脈規定性があるためであると考えられます。

 

誰かのこころをその人に本質的で備わっているものとみなしたくなるとき,こころは文脈に規定されていることを忘れないようにしなければならないと個人的には思っています。

 

 

<前回はこちら:こころは文脈に規定される>

 

こころとは,その人だけのものではなく,その人を取り巻く文脈(状況,社会,文化,歴史など)によっても規定されます。

 

前回,以下のエピソード(登場人物はすべて仮名)をもとに例示しました。

 

 

マキちゃんは同じ高校に仲の良い友達が3人います。マキちゃん以外はみんな彼氏がいて,なかには彼氏が2人いる子もいます。「彼氏が2人いるって変だよなあ」とマキちゃんは思いつつも,女子会で彼氏の話で盛り上がれないことに寂しさを感じていました。ある日,マキちゃんは同じクラスのタカシくんから告白されます。タカシくんとは数回喋った程度で,あまり親しくはありません。でも,告白されて嬉しかったし,女子会で彼氏の話ができるし,と思って,マキちゃん
はタカシくんと付き合うことにしました。

 

 

今回もこのエピソードで考えてみたいと思います。

 

前回,マキちゃんがタカシくんと付き合うことにした理由として,

 

「告白されて嬉しかったから(付き合った)」

「女子会で彼氏の話ができると思ったから(付き合った)」

 

があると述べました。

 

「嬉しい」「女子会で彼氏の話ができると思った」自体も

文脈によって形作られたものですが,

 

「嬉しかったから付き合う」「女子会で彼氏の話ができると思ったから付き合う」も

文脈によって形作られています。

 

 

現代は自由恋愛の時代です。自分で相手を選ぶことができますし,むしろ自分から積極的に動かないと恋愛さえできないと言われるような時代になっています。

 

そのような背景があるので「嬉しかったから付き合う」が可能となっています。

 

自由恋愛でない時代であれば,「嬉しくても付き合えない」ときがあったと思います。

 

「女子会で彼氏の話ができると思ったから付き合う」も,「女子会で彼氏の話をする」という仲間文化が背景になるので,そのようなことが成立します。

 

「他者に言ってはならない関係」であれば,「女子会で彼氏の話ができると思って付き合う」ことは生じないでしょう。

 

このように,こころだけではなく,こころと行為のつながりも,文脈によって規定されます。

 

私たちのあらゆるこころや行為はすべて文脈なくして存在しないと言えます。