源義経といえば鎌倉幕府を開いた源頼朝の弟にして、文武両道で義理堅い性格で知られる武士である。

近年ではイケメンだったとする考えもあるがそこは正直どうでもいい。

では本題に移ろう、義経と頼朝の仲は義経が最期を迎える頃は絶遠状態であったとされていたが、平泉で自害する前に数回、兄に対して手紙をしたためている。

それは鎌倉記や源浅識書という書にも書かれている事であり嘘ではないと思われる。

そうなると近年まで何故絶遠という研究に

なってしまったのか、それは頼朝から数えて2代後の実朝が暗殺され、北条氏が実権を握った事から始まる。

時政は鎌倉幕府を引っ張っていく事に際し、源氏関連の物は概ね処分したのだ、禍根を断つ為に。

一方で娘の北条政子は頼朝を深く愛していたので父の方針には納得出来ず、遺品の一部を隠し持っていた。

その中の一つ、義経の手紙に頼朝宛の手紙が数枚あったのだ。

いずれも頼朝の身を案じ、自身の無実を主張するものだった。

義経が頼朝の怒りを買った原因は書物、吾妻鏡によると許可なく官位を受けたことのほか、平氏追討にあたって軍監として頼朝に使わされていた梶原景時の意見を聞かずに独断専行で事を進めたこと。

壇ノ浦の合戦後に義経が範頼の管轄である九州へ越権行為をして仕事を奪い、配下の東国武士達に対してもわずかな過ちでも見逃さずこれを叱責するばかりでなく、頼朝の許しを得ずに勝手にそれを討伐し武士達の恨みを買うなど、自専の振る舞いが目立った事によるとしている。

ただ本当に不仲だっただろうとする書物等がある訳ではなく、藤原泰衡が義経を差し出したのも頼朝に脅された訳ではなく、自身の安全の為の行為だったともされ、泰衡の考えに関し、今も意見が分かれている。

義経としては頼朝と敵対する理由もないし、絶対的な権力者、頼朝に逆らえばただではすまないと分かっていただろう。

それまでの兄は優しかったのに…と。

本当は兄を慕っている、でも頼朝によって朝敵になってしまったから逃げなくてはならない。

そんな義経の葛藤は尋常ではなかっただろう。

一説には頼朝の裏に黒幕がいるともされ、頼朝と義経の関係性については、賛否が分かれる。

自分としては兄弟仲が良かったと信じていたい。

源義経

源頼朝とされる肖像画、近年は足利直義の肖像画とする説もある。