長谷川利行展
弊社がお世話になっておりますIT研究会の鈴木大吉先生。
その鈴木先生のお家に代々伝わり、また先生が散らばっていた作品を再コレクションされた長谷川利行(りこう)と言う画家の展覧会が湯島の画廊で開催されています。
京都出身の洋画家で、上京後、それなりに活動してはいたようですが、この画家に詳しい方ならば誰もが知っている説としては、浅草などの下町を中心に、一日中絵を描いているか、描いた絵を換金して酒を飲んでいた、それが長谷川利行像です。
アル中であったため体を壊し、50歳前に亡くなりました。
上野不忍池にある弁天島には「利行碑」が建てられていて、長谷川利行の短歌が刻まれています。
今回のコレクションを鑑賞して思うこと、やはり同じ画家の作品が並ぶと圧巻であるということです。そしてこの画家の場合は、生きる辛さを画から感じられるのです。
もちろん相撲取りの絵からは、明るさも見受けられますが、全体的には苦しみの印象です。
今回の鈴木コレクション以外にも作品はもちろん存在はしているようですが、いったいこの世にどのくらいの数の作品を残していったのか、現代の我々には正確に知る術はありません。
戦前にこの様な画家が日本に存在した事に思いをはせることができる、とても良い展覧会でした。
改めて鈴木大吉先生とのご縁に感謝を申し上げます。