きらら浮世伝(歌舞伎)
2025年2月、歌舞伎座の「猿若祭二月大歌舞伎」 昼の部を見てきました。
猿若祭二月大歌舞伎
2025年2月2日(日)~25日(火)
昼の部 11:00~15:13
一、鞘當(さやあて)
初演: 文政六年(1823年)3月 市村座
作者: 四世鶴屋南北
『浮世柄比翼稲妻』(うきよづかひよくのいなづま)の一場面。
二、 醍醐の花見
初演: 大正10年(1921年)京都 長唄絃聲會
作詞: 中内蝶二、作曲: 四世吉住小三郎
三、きらら浮世伝
初演: 昭和63年(1988年)3月 銀座セゾン劇場
作者: 横内謙介
公式サイト
■個人の感想
一、鞘當
「恋の鞘当」の語源となった演目。
不破伴左衛門(巳之助さん)は「雲に稲妻」、名古屋山三(隼人さん)は「雨に濡れ燕」の小袖と羽織。
2人の衣装があまりに綺麗だったので調べてみました。
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衣裳のデザインは、山東京伝(さんとうきょうでん)の読本『昔話稲妻表紙(むかしがたりいなずまびょうし)』から取りました。不破の「雲に稲妻」は京都の俳人・荷翆(かすい)の発句「稲妻のはじまり見たり不破の関」から考え出された図案でした。一方、名古屋の「濡れ燕」は江戸の俳人・其角(きかく)の発句「傘(からかさ)にねぐらかそうよ濡れ燕」がもとです。
出展:
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最初の場面、舞台セットの長椅子に三味線奏者が座って、その後ろに長唄の方が立ったまま手に本を持って歌う形式は初めてみたような気がします。
1月の大富豪同心でもそうでしたが、隼人さん、巳之助さんの2人は息もぴったりで、立ち廻りや見得の場面も見事に決まって、本当に錦絵のようでした。
二、 醍醐の花見
長唄曲が元になっていることもあって、長唄と三味線の皆さんは桜色の裃姿で華やかな装いでした。対して、琴の奏者は女性2名でしたがこちらは黒の着物。黒子ということなのかな、と思いましたが、琴の演奏が加わることによって、より一層優美で華やかな宴の雰囲気が伝わってきました。
華やかな宴の最後に、淀殿が座っての登場。その場の雰囲気が一気に変わるというか、さすがの貫禄。
春の訪れにぴったりの華やかな演目でした。
三、きらら浮世伝
大河ドラマの蔦屋重三郎が主役で、セリフも現代風ということでとても分かりやすく楽しめました。勘九郎さん、七之助さんはもちろん、歌麿の隼人さん、お菊の米吉さん、皆さんの熱演が伝わってきました。
セットがくるくる回るので場所も確保できず無理なのでしょうが、どこかの場面で長唄と三味線の生演奏もあるといいのに、と個人的には思いました。
個人的に一番良かったのは、彫師摺師の皆さんが最後花道を走っていくところ。みんなが主役の舞台、という印象でした。
「きらら浮世伝」の一幕見席は人気で、夜の部の「阿古屋」と共にすぐ売り切れになってしまいますが、機会があればもう一度見てみたいと思います。
■筋書



