8月3日(水)


朝5時起床。5時半出発。


昨日ゲットした目覚まし時計が役に立つ。


モンパルナスで人生初のTGVに乗る。

TGV


リヨンまで2時間くらいだった気がする。


TGVの車内では黒人の家族連れと同じ車両に乗る。


赤ちゃんが2時間泣き続け眠いのに眠れず。


リヨンから世界遺産モンサンミシェルまではシャトルバスが出ていて大体1時間くらい。


さっきの黒人の家族連れがまたもや。


父親が抱っこしている時は赤ちゃんが何故か泣きやむ。


隣で昨日までの写真をデジカメで見ていると父親が


「オ~、カノン!(canon)」


とか言って見せて欲しいみたいな目をしていたので見せてあげた。


「アイルゲットディスワン!」


歓喜の叫び?


僕のデジカメを見ながらなにやら奥さんと話し合っている。


パリに戻ったら買うのだろう。




爆睡してなにやら道が開けてきたと思ったらそこはもう


モンサンミシェル1


世界遺産“モンサンミシェル”!

帰る前に“めざまし時計”を買いにパリのデパートに行く。


2件、3件、・・・


めざまし時計が無い。


基本的に服しか売ってない。


さすがパリ。


歩いているとよくわかんない「なんでも屋」みたいなのを発見。


「時計あります?」
「あるよ。」


あんの?


というわけで苦労の末、めざまし時計をGET。


部屋に戻り洗濯。


まだまだ洗濯機で洗濯できるよろこび。


このころは気がつかなかったけれど。


午後はオルセー美術館。

orsey

公共物への落書きが絶えない↑


芸術作品に関してものすごく疎い私ですが一見の価値アリでした。


ミレー【落穂ひろい】

落穂拾い

ボケていますが・・・


マネ【笛を吹く少年】

笛服少年

この辺は小学校の時の教科書にやたらのっていたメジャーな作品なので感動した。


ビックリしたのが女性の局部を忠実に再現した絵画。


あまりにビックリして思わずOps!と口走る始末。


なんか恥ずかしくてデジカメに写せず。弱。


芸術という言葉でくくっちゃえば何をやってもOKだ。


とにかく館内が広く、2時間を見積もったものの全てを見ることは到底かなわず。


ぐったりしてきたのでオルセーを出て次なる観光スポットへ。


その前にオルセーの入り口に居を構えていたアイス屋へHが行く。


ヨーロッパに来てまだ2日たっていないのだがアイス屋はもう何十軒と見ている気がする。
う~んこっちはアイス文化なのか?


街中によくあるゴミ箱の中を見るとコーンの墓場になってることがよくある。

みんなコーンは嫌いらしい。サクッと捨てるらしい。


とにかく巡礼の旅中も大きな街では決まってアイスを食べていた。

その時もっとも多く食べたのが「ヨーグルト味」。


日本の牧場主さんがうかうかしていられない濃さ。



うまっ。



疲れた体を癒すヨーグルト味。


なにか疲れたので明日のことを考えてみる。


すると明日は世界遺産「モンサンミシェル」の日じゃないか。そのためにTGVのパスもとっているため遅刻は許されない。


帰って寝ましょう。

今日はモンマルトルの丘の頂にあるサンクレール大聖堂へ行く。

サンクレール

キレイだ。


聖堂の中も荘厳な雰囲気が漂う。


丘の道端では黒人の集団がミサンガの押し売りをしてて、押し売ってこられて理不尽だった。

丘の上

丘の上からの景色。


実はまったく時差ボケが回復せず。

それは他の2人も同じようでサンクレールを後にし、カフェで休憩。祝カフェデビュー。これから始まる巡礼の旅の中でもカフェでの休憩は欠かせないものになっていく。


昨日のセーヌ川クルーズでチラッと見たノートルダム寺院へ。

ディズニー映画で見た『ノートルダムの鐘』が実写で目の前に!

ノートルダム寺院





興奮。




それにしても何処も混んでるな。ちょっと並んでから中に入ってみる。


タイミング良くミサが始まった。祝ミサデビュー。

misa

何がなんだかわからないが重々しい雰囲気のなか皆で賛美歌を歌ったり、聖書の言葉を繰り返したり。不思議体験。


お昼になって小腹が空いてきたので適当なレストランに入って食事。

目測を誤りまさかの20ユーロという大出費。この時はまだユーロの感覚に慣れてなくて、過ちを犯すことがしばしばあった。



てか量多っ!


でも味はあまりいただけない。


Hがすっぱいとか言って全く肉に手をつけなかったのでどうしようかと思ったが食ってみたら意外とうまかったので得をした。



午後はオルセー美術館に行くことに決定。

さて豪雨のエリザベス宮殿を後にし再びモンマルトルへ。


まだまだ時間に余裕はある!幸い雨もあがった。


エッフェル塔へ!

エッフェル

曇りだから良くわからないけど、もう19時くらい。22時くらいまでは明るかった。


エレベーターと階段、どっちで昇るか迷う。けれど数日後に巡礼を控えた僕らは当然階段だ。


パリはキレイだ。あらためて言うのもなんだけど。


電線は全て地下だから電柱とかを見かけなかった気がする。日本も区画整理がうまくなされてればなぁ。なんて、「もしも」を考えちゃうことが多い。


誰かに道を教える時って「ここ真っ直ぐ行って、突き当りを左、2つ目の信号を右に曲がってすぐです。」とかって言うけど、パリに限らずヨーロッパは全ての道に名前がついてるから「~通りにあるわ。」で済む。


まぁそんな感じでエッフェル塔の上から凱旋門、ノートルダム寺院の大体の感じが掴める。

uekara

中央に見えるのが凱旋門。


東京タワーがプラス1,500円とかで最上階まで行けるのと同じようにもちろんエッフェル塔も行ける。うんあたりまえだよね。


でも、またもや激混み。ある程度眺めを堪能した僕らはそのまま下塔。


パリでは何度も口惜しい思いをした。

それはお土産を買えないこと。海外でお土産を買えないのは苦しい。歯がゆい。

というのも先述のとおり、数日後には巡礼の旅がスタートするからだ。「ワレモノ注意」のお土産とか論外なわけです。


エッフェルの隣はセーヌ川が通っているのでとりあえず行ってみる。


「セーヌ川クルーズ(日本語ガイド付き)10ユーロ」


とりあえず乗ってみる。時差ぼけで心身ともにグダグダな体にそよ風が気持ちよくあやうく昇天するところだった。

クルーズ

クルーズ中の船から見たノートルダム寺院。


lightup

エッフェル塔ライトアップ。一時間に一回、5~10分、気違いみたく光ってた。


そしてクルーズの後、ユースに戻るか考えたけど「もうひとふん張り」することにする。


凱旋門着。

凱旋門

門の周りは道路。ロータリー。


びゅんびゅん車が走ってて近づけない。


地下への階段を探すもよくわからない。グルグル回ってやっと発見。


地下通路を通って凱旋門の真下へ。わかってたけど遠くから見たほうがキレイ。


あと夜に来てよかった。なんかロマンティックだ。といっても周りにいるのは野郎のみだが。


凱旋門の真下の彫刻は秀逸。とてもキレイだったのだが暗くて撮影ゲキムズ。


デジカメの説明書とか読んどけばよかったな。


ちなみに凱旋門の上のポツポツは人。凱旋門も昇れるんだぁ。へぇ~。


で、凱旋門を貫いているシャンゼリゼ通りへ突進。


やはり広い。高そうな店ばっか。いわゆる「本店」が軒を連ねる。食事も優雅に外のテラスでとる人達が多い。道幅は表参道の3倍はあるんじゃなかろうか。


日本を歩いていて配られるものといえば「ティッシュペーパー」だがシャンゼリゼ通りではしばしば「バラ」がくばられる。






さすが、パリ。






だがしかし体力の限界。ユースに1時ごろ戻り、泥のように崩れ落ちる。


英雄アモスによって救われた町、モンストル。


あっ違った。


TGVのパスをとるために来た駅、モンマルトル。


とりあえず色々なカウンターをたらい回しにされる。

で、どうやらパスをとれそうな予感ときめくカウンターを見つける。



激混み。


JRの駅員さんが神に思えるダラダラプニプニっぷり。


そして時差ボケ。


マジきつい。うだるようなダルさ。カラオケでオールした次の日の朝に理不尽な朝日を浴びて感じるあのダルさと焦燥感を軽く凌駕。


それぞれのカウンターには色々な国の旗がくっついてて「ここのカウンターは英語OKです」とかいうことをそれぞれ表している。


当然、誰もフランス語はわからないのでユニオンジャックの列に並ぶ。


待つこと小一時間。よぅし!あとちょっと!


そしたらガラガラと閉まる。


お昼休憩!?


ハァ?


JRの駅員さんが神に思えるダラダラプニプニっぷり。


いや、でも大丈夫。別の人が来た。


フランス語オンリーだが。


喋れるはずもないのでメモに行きたい場所と、乗りたい時間を書いて提出。



ユーロパス(3日間)GET!



一日目は世界遺産【モンサンミシェル】へ行くために使用。
二日目はもったいないが予定立たず。
三日目は巡礼スタート地点の【サンジャンピエドポー】へ行くために使用。


結局のところ日本でレールパスをGETしてもTGVに乗るためには席の予約を取らなければいけないらしく、なにかと面倒だった。


現地時間14時。


時差ボケで心身ともにオトボケだ。しかし時間は無駄に出来ないのでエリザベス宮殿へ行くことにする。


モンマルトルからエリザベス宮殿まで行く電車が出てる。

エリザベス行き


電車に30分ほど揺られエリザベス宮殿に到着!

エリザベス宮殿

しかし時すでに遅し。閉館時間を過ぎて中みれず。

front

たしか正面↑


しかたないので奥へ進む。


するとミニバスが出ている。広大な面積を有するエリザベス宮殿はこういうミニバスでまわらないと疲れるのだろう。



何か悪いことをしたのだろうか、突然の




豪雨




乗りたくなくても乗らなきゃならない、どうしようもない窮地に立たされる。


せっかくのキレイな庭園も豪雨でわけがわからない。

豪雨

デジカメで撮影するもことごとく失敗。しかも雨のせいかミニバス速い。速度はやいっす。


たちまち歩いて散策してた人の非難バスに成り果てる。


狭っっ!


一周したらまるでスコールのような雨もやみ、まぁまぁ歩けるようになる。


ちきしょう。



新婚旅行とかでリベンジしようと心に誓う。

2005年8月1日(月)


AM7:00頃、CDG着。市内へ向かう。

Wさんが出発前に入念なリサーチを進めていたため実にスムーズ。感謝カンゲキ。


電車に乗ってパリ市内へ。壁の落書きが日本のそれよりも秀逸。

なんだか実感が湧かないがフランスはパリ。


リパブリックという駅まで行き、降車。降りるときはドアのレバーをクイッと持ち上げる。持ち上げなければ開かない。かすかな戸惑い。


メトロマップを見ると目が痛くなるほど入り組んでてパッと見うんざりする。


でもこういうのって日本に来た外国人も感じるんだろうな。日本に住んで日本語話しているから気付かないだけだけど客観的に見たら日本の地下鉄は駅名が漢字という不思議なフォントだし、線がクロスしまくってるしでなんかよくわかんない。


で、W君のリサーチ通りにリパブリックのユースホステルへ。

リパブリック

朝方のリパブリックで。W(左)とH(右)。


youth

リパブリックのユース。


フロントで受付。フランス語か?英語か?どっちを使ってくるんだ?


普通に英語。


色々説明されたけどわかったようなわからないような感じで料金を支払う。


巡礼前にパリでは4泊して観光、もとい英気を養うことになっていた。

4泊で80ユーロ。一泊20ユーロで朝食付き。


クレジットカードを初めて使うのかとドキドキしながら臨むも「CASH ONLY」らしく機会を逃す。


部屋はまさかの五階。


うれしいことに階段だ!┐ (´・ω・`) ┌ =3


とりあえず時間を有効に使うためTGV(新幹線みたいな電車)のパスチケットを取りにモンマルトルって駅へGO!

7月31日。


朝。


あぁ一ヶ月間半もこの部屋ともおわかれかぁ。なんて思う。


基本インドア大好きなので。


昨日の夜かけてたミスチルがガンガン鳴ってる。よくこんなんで寝てたな。


朝ごはんを食べて。荷物の最終チェック。パスポートは命の次に大事っすから。


そして出発。


成田線でぶらぶら行く。


そしたら3人で決めた待ち合わせ時間よりかなり早く着いた。誤算。


KDDIのブースに行ってプリペイドカードを買う。

NTTの国仲涼子カードとどっちにしようか迷ったけどKDDIにした。

スーパーワールドカード5,000円分。結構使い勝手がよくて重宝した。


で、タイ航空の前で3人無事集合完了。Wが若干遅刻。


女の子達もいろいろ忙しいのに無理してきてくれた。

空港で

ありがとうございました。


搭乗手続きを済ませていざ!


の前に上でカレーを食べる。しばらく食べれないからね。


そしていざ!出発!


成田-バンコクの機内の中、Wが何故かナイフを持ち込んでいる。どゆこと?



そういえば成田の手荷物検査で


空港職員A『あれ~なんか入ってません?ちょっと見てみて下さい。』
空港職員B『いや、ないよ。』
空港職員A『いや、でもなんか入ってますよ。』
空港職員B『でも無いよ。なんも入ってないよ。』


という一連の流れを思い出す。



ナイフ通過。



なんて杜撰なんだ。



当然バンコクで乗り継ぎした時に没収。


彼のガン萎えの表情など忘れられません。


バンコクではどこも疲れてないけどとりあえず時間つぶすために空港内のマッサージに入る。

二人同時プレイ。上半身と下半身の世話を彼女らにあずけ昇天。

30分だったけどなかなか良かった。

二人同時プレイだったからね。


しかし、去年市中の『有馬温泉』ってとこでやったマッサージには遠く及ばぬ。


バンコク-パリは怒涛の13時間。日本離脱はこれで3回目になるが、こんなに長いこと飛行機乗ったの初めてだ。


寝てんだか寝てないんだか自分でも良くわかんない朦朧とした感じで13時間を過ごす。


両端で2人ともスヤスヤ眠りやがってうらやましかった。

喉が渇いてしょうがないからとりあえず「ウォータープリーズ」を連発。


sky

↑着く直前のフランス上空。


苦行に耐え抜きやっと着いた。フランスはシャルルドゴール空港!

CDG空港

パイプエスカレーターで空中移動。不思議空間。


にしてもケツがイテェ。マジで痛い。フラフラする。

ついでに水の飲みすぎで膀胱が激イタイ。



この時の感想は「あぁあ。本当に来ちゃったよ。」って感じでした。

7月30日。


どうせ飛行機で寝れないだろうから極限まで起きていようと思って、この日のために買っておいたかのように忽然と部屋においてあるスラムダンク完全版に手をつける。


意外と最初の方はみんな汗をかいていない。


陵南との練習試合とかむしろ涼しそうだ。


で、とんで決勝リーグ。


陵南 VS 海南


この辺の試合から「汗」の描写が秀逸になってくる。


そして、


「神はあれから500本のシューティングを毎日欠かしたことはない!」


「ヤツが陵南の不安要素でもあるのか!?」


「あいつも3年間頑張ってきた男だった。」


「2万で足りるのか?」


「もはや沢北と同等!」


「・・・だピョン。」


「うほほ。」


「ごむえぇん兄ちゃん。」


「なぜ俺はあんな無駄な時間を・・・」


「みずからとーるっ!!」


「左手は添えるだけ。」


「泥にまみれろ赤城!」


「この音が俺をよみがえらせる!」


「キミ達は強い」


などなど数々の名ゼリフ、名シーンが脳裏に焼きついているスラムダンクを、「汗」はどの辺から吹き出すんだろうという疑問とともに読み漁り完全読破!


しかしまだ寝てはいけない、寝れないと思い、ケツメイシのケツメポリス4のトラック2「歩いてく」を聴きまくる。


いけるとこまで、どこでも歩いてく♪
いけるとこまで、どこでも歩んでく♪
ひ~びこ~して~い~きてる~♪





Oh!テンション上がってきた~~~。





そしてミスチル。

「終わりなき旅」(Discovery)


高ければ高い壁の方が登った時気持ち良いもんな





Wow!テンション上がってきた~~~。





このフレーズに深い憧れを抱いています。

そのあとの「Image」もなかなか、いや、かなり、明らか最強レベル良い。


で、やることなくなったので寝。


明日からはいよいよ旅立つぞ。

巡礼の旅へ。

今日は装備の最終回。


全リストを挙げてみようと思う。


・帽子
・サングラス
・耳栓(寝る時)
・Tシャツ×3
・ボクサートランクス×3
・ズボン×2
・靴下×3
・シューズ
・タオル×2
・バックパック
・寝袋
・コップ
・スプーン&フォーク
・多目的ナイフ
・レインウェア
・スパッツ
・ライト
・ビタミン剤
・治療セット&お泊りセット
・洗濯ばさみ(現地調達)
・トイレットペーパー
・液体洗剤(現地調達可)
・VISAカード
・正露丸
・腕時計
・辞書
・パスポート
・杖(現地調達)
・ディクトン


最後の「ディクトン」って何?


って感じになるかもしれません。


ディクトンは皮膚補強クリームです。


お茶の水エルブレスに売ってました。

ディクトン

いやぁすごい。これは本当にすごい。


旅を終えて改めて凄さが身にしみる。


僕たちコレのおかげでマメが潰れずに済んだ。


足の指の間にディクトンをまんべん無くぬればその日1日の足皮の健康は保証される。


まぁこんな科学の力を使うなんて巡礼路じゃズルっこなんじゃないかって考え方をする時期もあった。



“苦労してこそ巡礼”



僕の中にはこういう思いがあった。序盤で足を血だらけにしながら、でも楽しそうに一生懸命何かに向かって歩いている人を見て、こんな良くわかんないクリーム塗って安心しきって歩いている自分はなんなんだろう、何しに来ているんだろうと思い使用をやめようかと思った時期もあった。


でも、ふと考えてみると最終目標は3人でゴールすることだ。


それを一人ひとり踏まえたうえで1年半も計画してきたはずだ。


自分だけの利己的な、「苦労したい」とかいうドMな主張で他の2人に迷惑はかけられない。


なにより自分自身、途中リタイアなんてしないで最後のサンティアゴまで歩いていきたかった。



“苦労してこそ巡礼”



結局、苦労は山ほどあった。ディクトンはその1部分を多少緩和してくれたにすぎない。


全行程を徒歩でのみ達成しようとするのであれば確実に必要な奇跡のクリームだ。


最終的にはこう思う。


「ディクトンありがとう」