車派形意拳倶楽部(旺龍堂水戸支部)

車派形意拳倶楽部(旺龍堂水戸支部)

茨城県水戸市で中国武術、車派形意拳の練習会を運営しております。

私どもの修練している車派形意拳は柔らかく滑らかな動きを大事にし、求めて行きます。これは相手からの攻撃に対して柔らかく対応するという部分もありますが、攻防の中に粘るような、絡みつくような技法を用いるためという理由があります。車毅斉先師は普段からとても温厚な方で、理由があって誰かと立ち会う必要があった時でもなるべく相手を怪我させないように飛ばしたり、動きを封じて何もできないような状況にして相手に引かせる形で対応する事が多かったそうです。晩年の頃はその芸も磨かれ、その技を受け継いだ車毅斉先師の弟子の一人に布学寛先師がいました。布学寛先師は様々な門派の武術も研究されていたそうで、それらの精華を車毅斉先師の柔らかい風格の技に落とし込み、獅呑手(しどんしゅ)と名付けて技法を確立しました。獅子が口を開けるように両腕で陣をしき、円の動きをもって相手の攻撃に応じ、変化して勢いを呑みこみ制圧する事を特徴としております。この相手の攻撃に対応する時に粘りつき、絡め捕るような対応をするのですが、あたかもスクリューで巻き取る、吸い込むような感じになります。相手の攻撃を受け止めたり、そらしたり、弾いたりするような形に結果的になる事もありますが、スクリューで吸い込むように受ける、吸い込むようにそらす、吸い込むように弾くという感覚です。なるべくガチンコでぶつからないよう、柔らかく滑らかに対応するための車派形意拳の工夫の一つであると思います。