大好きだよ(にのあい)

「大好きだよ」

大きな手が俺の頭に触れる。

「大好きだよ」

繰り返されるその言葉。

いつもの俺なら、
「気持ち悪いー!」
って言ったり、
(収録だよ!この酔っぱらい!)
って心で毒づいたりするんだろうが、

お前のその声が、

その手が、

その目が、

優しすぎて…

何も言えなかった。

よくわかるよ、俺も。

俺たちも。

お前の気持ちが。

でも、

だから、

大丈夫だと思うんだ。

そういう風に思えるお前だから。

もうすぐ、カウントダウンが終わる。

その時が来る。

横に並んで歩いていた道が、それぞれの方向に向かって歩き始める。

どの道も、隣にないかもしれない。

だれの道も見えなくなるかもしれない。

本当に、また、交わるときが来るなんて保証もどこにもない。

でも、

だからこそ、

お前とは離れてなんかやらない。 

俺が、前に進むにはお前が必要だから。

お前だってそうだろ?

俺たちの道の間も広がっていってしまうかもしれない。

でも、お前の道を見失うことはないよ。

どちらかが先に進んでしまってもいいよ。

止まってもいいよ。

手を繋ごう。

繋いでいこう。

一緒に。