宏「お前それ何杯目だよ」

   久志「あ? えー、生中3杯と焼酎が・・・」
    宏「あーいいや、聞くのがめんどくせー」
   久志「んだよ、そっちから聞いといて」
   タカ「誰もマジメに数えろなんて言ってねーよ」
    宏「そうそう、てかそれなに?」
   久志「え、“百年の孤独 ”」
   タカ「え?25年の孤独?」
   久志「俺のことじゃねーよ!焼酎の名前だって」

    宏「あーあ認めちゃったよ」
   タカ「冗談だったのにー」
 
    宏「てかお前一人で何贅沢なモン飲んでんだ」
   タカ「そんなの頼んでたっけ?」
    宏「それって何か? 水割り?」
  久志「そうそう」
    宏「よし」
 
店の向こうのほうで定員呼び出しの音が響く。
 女店員「ハーイ」
 
   タカ「あれ、頼むの?高くない?」
    宏「だって見てたら飲みたくなったし、飲む?」
   タカ「えー、“百年の孤独”3人で?」
    宏「ありあり」
  久志「いいじゃん3人だったら孤独じゃないじゃん」

   

   タカ「あー」
    宏「“3人で孤独”か」
  久志「それなんかさみしいな・・・」
 
 女店員「呼ばれました?」
    宏「あ、呼んだ呼んだ」
   タカ「“百年の孤独”2つ」
    宏「水割りね、2つとも」
 女店員「ハーイ」
 
 女店員「ドリンク追加オーダー入りましたぁ」
 別店員「ありがとうございまーす」
 

    宏「あれ?」

   タカ「ん?」
    宏「そーいやぁウチらイモ多くね?」
   タカ「えーと、これは」
    宏「じゃがバタでしょ、で、これが」
   タカ「大学イモ」
    宏「そっちが肉じゃがだよね」
   タカ「あとポテトサラダ」
    宏「だよね、なんで?」
 
  久志「・・・しまったね」
   タカ「あ、そうだよ最初に頼んだのお前じゃん!」
    宏「“しまったね”じゃねーよ!」
  久志「しょうがないじゃんなっちゃったんだから」

 
    宏「ええ!?狙ったんじゃないの?」
   タカ「イモ大好きみたいじゃん」
  久志「え、嫌いなの?」(弱気)
    宏「なんだその返しは」
   タカ「“私のこと嫌いなの?”みたいな」
 
    宏「・・・てか芋焼酎頼まなくてホントよかった」
   タカ「いやぁ危なかったね」
    宏「全然気付かず食ってたな」
   タカ「ね、結構たいらげてるし」
  久志「まあ世の中知らなくてよかったことも・・・」
    宏「やかましい」
 
   タカ「あ、これは芋じゃないよね」
  久志「あー、うんそれポテトグラタン
 
    宏「イモじゃねーかよ」
   タカ「“うん”じゃねーよ」
    宏「あーありえん、もうゼッテーありえんて」
 
 女店員「おまたせしましたー」
   タカ「あーモモコがきたきた」

   久志「は?モモコ?」

   タカ「百に孤でモモコ」

   久志「あーなるほど、店員さんのこと言ったかと思ったよ」

 女店員「優子です」

   タカ「あ、スイマセンまぎらわしいこと言って」

    宏「でもどこの店行ってもモモコじゃ通じねーだろうな」

   久志「モモコ“ちゃん”とか出てきそう」

   タカ「あーヘルス行ったらね」

    宏「注文いいっすか?」
 女店員「あ、ハイ」
 
    宏「海老マヨ1つ」
   タカ「若鶏の唐揚1つ」
    宏「カニクリームコロッケ1つ」
   タカ「お、いいねー」
   久志「あと生中1つね」

 
   タカ「は?お前もう飲んじゃったの?」
    宏「待っとけよ」
  久志「あ、そうか・・・」

 
 女店員「以上でよろしいでしょうか?」
    宏「あー、はい」
 女店員「少々お待ち下さーい」
 
 女店員「フード追加オーダー入りましたー」
 
   タカ「乾杯できねーじゃん」
   久志「ごめなさい、どうぞ先に飲んでください」
    宏「はい、じゃあしょうがないな、えー・・・」
   タカ「百年の孤独を願って」
    宏「いやいやいやいや」
   二人「乾杯」

 

 

    宏「あーやっぱウマイね」

   タカ「おお、モモコいいわ」

   久志「後味がいいよね」

   タカ「そうそうそう」

 

    宏「でもなんか“モモコ”っていいイメージがないな」

   タカ「聞いた感じカワイクなさそうだよね」

   久志「たしか中学ん時いたよねモモコって名前のやつ」

    宏「あ!いたっけ!?」

   タカ「西山桃子だ」

    宏「あーいたいたいた!」

   久志「よくないイメージはそっからきてんじゃないの?」

    宏「かもしれんね、あの顔はどうしても高見山 にしか見えん」

   タカ「なかなか懐かしいところを持ってくるね」

   久志「てかタイムリーじゃないんじゃないのウチらは」

   タカ「だな、もうちょっと前の時代だよね確か」

    

 女店員「はい生中でーす」

   久志「あーはいはい」

 

    宏「でも人の顔なんてのはその人の生き方で変わるもんだよ」

   タカ「でもこれ小学生の時の話しだろ」

   久志「それに力士は目指してなかったと思うよ」

    宏「いやいや、今は変わってるかもしれんよってことですよ」

   タカ「いや~、それはどうでしょう」

   久志「それを確かめてみたい気もするけどどうせならもっと違う人に逢いたい」

   タカ「どうせならそうだよね」

    宏「みんな見てみたいな、会わなくていい、見るだけでいいけど」

   タカ「だね、経年変化がいかほどか見てみたいね」

 

    宏「なんかおもしろそうなやつと逢ったら誘ってみるわ」

   タカ「あ、俺もそうしよ」

   久志「うん」

 

    宏「あ、お前はカニクリームコロッケ無しね」

   久志「は?なんで?」

   タカ「責任持って残った大学イモ全部食べなさい」

    宏「全部食ってもカニコロはやらんけどね」

   タカ「唐揚げも」

    宏「海老マヨも」

 

   久志「今日はなんか風当たりキツいなー」