日経朝刊に気になるトピックがあったので、USEN案件を中断して、悩んでみます。
武田薬品の第一四半期が赤字になる理由を解説したものです。
「武田薬品工業が・・(中略)・・米バイオベンチャー買収や米合弁会社の子会社化に伴って一括計上しなければならない「インプロセスR&D(仕掛かり研究開発費=IPR&D)」が発生した・・・(以降略)。」
いんぷろせすR&Dなんて、聞いたことないですが・・。
研究開発費は原則即時費用処理ですから、そもそもBSにのって無いじゃん。なんでいまさら費用処理を問題にするのって疑問がわきます。私はあまりに無知なんでしょうね・・。アホになりそうです。
で、本件が、「取得」かあるいは「持分の結合」かの選択は、間違いなく、「取得(パーチェス)」だと思います。これは問題ないでしょう。
情報を整理します。
・買収前企業では、研究開発が実施されていた。仕掛かり中である。
・新聞記事は買収時に費用処理が強制されると記載されている。
・「研究開発費等に係る会計基準」では仕掛かり研究開発費という言葉は使用されていない。そもそも研究開発費に該当すれば即時費用処理である。
想像するに、当初は費用処理していたが、仕掛かり研究開発の時価が算定できるため、買収側としては原価の配分を行える。よって、企業結合後のBSに資産計上することも可能では?ということなんでしょう。(参考:適用指針365・366)
会計基準・適用指針とにらめっこ、そして悩みに悩んで、これにたどり着きました。「研究開発費に関する論点の整理」(19年12月、ASBJ)。ジャストミートです。
要点は以下のとおり。
・仕掛かり研究開発を企業結合で購入した場合、日本は費用処理(企業結合会計基準三2(3))ですが、国際財務報告基準(IFRS)、米国会計基準(USGAAP)の両者は、公正価値に基き資産計上するそうです。(⇒日経は間違ってるのかな・・)
・IFRS、USGAAPでは、社内で研究開発を実施した場合には、日本と同様費用処理が求められます。ところが、企業結合で、社外からその途中の研究開発を買ってきた場合には(当然、買収前企業のBSには載っていない)、公正価値を計測して、取得原価を配分することになるのです。
・企業結合以外で、社外から個別に、仕掛かり研究開発を買ってきた場合には、IFRSは資産計上、USGAAPは費用処理とのことです。
今後日本でも見直されるかもしれませんね。
のれんにしとけば減損しなければ費用処理なし、仕掛かり研究開発にすれば即時費用化ってことですね。そもそもBSに載せていないものですから、研究開発活動を隠しておけば、費用処理を先送りできるってことですか・・。
しかし、日経新聞の「仕掛かり研究開発費」という表現は非常にまぎらわしいと思いませんか?「費用」の「費用処理」を主題としてるんだから、てっきり資産計上された費用なのかと思っちゃいました。知ってる人にはなんてことないんでしょうけど・・・。かなしい。![]()