俺は数え切らない程失敗し、嗤われ、多くの人から嘲られてきた
俺が持っているのは他人を傷つける言葉と自分を守る言葉、
愛とか友情、信頼、希望なんて云う感情は解らない
でも、理解したかった。何故、あいつらは笑い合えるのか
何を根拠に信頼できるのか、何故、人を愛しく思えるのか
だから沢山本を読んだ。様々な曲を聴いた
しかし、全く心に響かなかった
俺はその時思い知った。俺には「心が無い」ということに
それから間もなくして、親と口論をした。
否、口論とは言わないかもしれない
親をほぼ一方的に言い包めてしまったからだ。
中学1年の時だった。
それから俺は出来るだけ誰とも関わらない様にしてきた
また誰かを傷つけてしまうと思ったからだ。誰も傷つけたくなかった。
高校1年の時
学校の先生に「自分を犠牲にするのはやめなさい」
と言われた。俺は危うく先生を殴ってしまうところだった
俺は全く犠牲にしているとは思っていなかった
他にやり方があるのなら自ら嫌われる様な発言も行動もとらなかっただろう
しかし、俺にはそのやり方しかなかった、唯でさえ少ない持ち札全部切って
答えを出した。そんな俺を何も知らない他人からの気持ち悪い善意からなる
可哀想な奴を見る眼で必死に生きている俺を見るな。
嗤いたければ嗤えば良い。蔑みたければ陰口でもなんでもやればいい
今更、俺はどんなことをやられても傷つかない。
傷つく心なんて、疾うの昔に壊れている。
誰も俺に関わらないでくれ。
良くオトナは「人との関わりを大切にしなさい。人は独りでは生きていけないのだから」という
確かに人は間接的に他人から支えられている。野菜を栽培している人その野菜をスーパーに運ぶ人
その野菜を消費する人。需要と供給。
だが、五体満足の人間ですぐ隣で誰かと支え合いながらじゃないと歩けない奴は居るか?
居ないだろ?
仮に給料も労働環境も保険も整っている会社に勤めていると、しよう
これ程いい境遇でも誰かがそばに居てもらわないと生きていけない奴は居るか?
居ないだろ?
直接的には人間は1人で生きていける。
しかし、社会には他人の意見が無いと「何も決めることの出来ない愚かな奴が腐るほどいる」
そして、そいつ等が口をそろえて言い訳をする
「みんなの考えも必要だぞ?」「もっと視野を広くして考えようぜ?!」
みんなって誰だよ。

みんなと云う得体の知れない怪物を前に
人々は個々の意見と云う武器を捨てる
その怪物は一人から二人。二人から四人と。
人々を飲み込み
攻撃して来た者に飲み込んだ集団を使い反撃してくる
飲み込まれた者たちはこれが民意と
実に誇らしげにしてる
怪物に操られていると云うことに気付かないまま
怪物の意見をまるで自らの意見のように
扱い攻撃してくる


だがしかし、飲み込まれた人々もまた俺と同じ被害者だ
「こんなことが言いたい訳じゃない。よし、俺もあいつの様に闘ってやる!」
粋がる人が出てきた。
しかし、怪物は何もかも解っていた。飲み込んだ者の中から
反逆を起こそうとする者か出てくることを。
そして、どのようにしたらこいつを抑制出来るのかを。
 怪物は外からの攻撃にはめっぽう強い。
だが、内側からの攻撃にはとても弱い
怪物は恐れた、否、飲み込まれた人々が恐れた
一方的に攻撃できるとても気持ちの良い場所が無くなるかもしれないと云うことに。
怪物は笑っていた。
何故なら、飲み込んだ「人々」が「怪物」になっていたからだ。
人々には、粋がって立ち上がろうと紛糾していたあいつには、既に共犯者だと云う事実が深く根を張っていた。
立ち上がろうとした奴はこの「事実」にいとも簡単に打ちのめされた。
飲み込まれた人々は怪物へとなり果てた。その怪物は俺を嬲った後に
次の愚かな人間を探しにこの社会を徘徊する。

怪物は時間が経つと一人一人になる。もちろん怪物のままで。
その人々が社会と云うすべての元凶へ孵る。
一見、その人々は日々を活き活きと生活している。だがその裏には
日々の鬱憤を発散するために、嬲ってきた人を、自分より劣っている人を
蔑み、嗤った。その嗤い声が1人、また1人と怪物を呼び集める。
その嗤い声がさらに大きくなり、社会に反響し、訳知り顔の老人や医者、評論家どもが
病気だと揶揄してくる。そして嬲られた人々は音も立てずに涙を流し、「ごめん、オヤジ。ありがとう。かぁちゃん。長生きしろよ」
と、残して、この星に赤い染みを付ける。社会を覆いつくす分厚い雲がはれることを願うかの様に首を括る。鋼鉄に温もりを求め、空中に身を預ける。
その鮮やかな色を使い絵を描くかの様に赤色をお湯に薄める。
この人が死んでも社会は回る。家族は悲しむ。怪物は嘲笑う。嘲笑う。
電車のダイヤが乱れ、乗っている怪物どもは舌打ちをする。人が死んでも自分のことしか考えていない。
戦争で死んだ人々には舌打ちをせず、目の前で人が死んだにも関わらず舌打ちをする
人が死んでも何の躊躇いもなく舌打ちをする。だって周りの怪物たちがしているんだもの。合わせないと
自分が攻撃されるから。怪物に監視されながら、怪物たちは周りに同調し続ける

これが、社会と云う本当の怪物が描いたストーリー。人々はこれを「運命」と呼ぶ。
この世界を創った神様と云うお方は俯瞰した視線を送ってくる。
神様は本当に平等だ。平等に「何もしてくださらない」
まぁ、最初から神なんて存在には期待していない。

こんなのは間違っている。しかし、どうにも出来ないのが現実だ。
俺たちは、嫌なほど、人の本性を見てきた。見たくもない現実を見てきた。
嫌なほど、自分の無力さを思い知った。
俺らが知っているのは浅ましい人間の本性だ。愛なんて知らない
正解も解らない。
望んでいるのはきれいごとではない
共感でもない。望んでいるのは誰も私に関わらないでと云う事唯一つ。


是は、俺の主観だ。
出来損ないの主観でしかない。

 


お前らには理解できないだろ。 

出来損ないの意見なんて

知りたくも無いだろ。