1933年にハンガリーで発表されたこの曲、実は「聞くと自殺する」という、記録されている限りでは最も古い「自殺ソング」なんです。
この曲を聴いて実に数百人もの人が自殺したと言われています。(もちろんデマ説も有り。)
YouTubeにいい音源がたくさんあります。
ではまず聞いてみましょう。
美しくも、重苦しく、悲しい曲調ですね。
僕がこの曲を知ったのは、16歳の時です。
スティーブン・スピルバーグ監督が1993年に製作した映画、『シンドラーのリスト』の冒頭で使われていたのを観たのが最初でした。
それからはこの曲に取り憑かれ、何百回と聴きましたが、幸いにもまだ自殺していません。
世界的にはJazzの女王、ビリー・ホリデイがカバーし歌ったのが有名です。
そして今回ご紹介したいのが、1999年に『暗い日曜日』という曲をモチーフにして作られた映画、『暗い日曜日 (Ein Lied von Liebe und Tod - Gloomy Sunday)』です。
第二次大戦時、ドイツが力をつけていった頃、プダベストにレストランをオープンしたユダヤ人サボーと、その恋人であり、そのレストランの給仕として働く美女イロナ、レストランの雇われピアニストであるアンドラーシュ、そのレストランの客であり、後にナチスの隊長となるハンスの四角関係のラブストーリーです。
日本だとかなりのメロドラマ的な扱いになりそうな気もするストーリーではあるのですが、この映画の素晴らしいところは、その音楽です。
ピアニスト、アンドラーシュが初めて店を訪れ、オーディションを受ける時に弾く曲は、とても秀逸です。
その曲名も『Andras Spielt (アンドラーシュの演目)』という名前が付けられています。
そしてこの主役を演じているハンガリーの女優、エリカ・マロジャーンの美しさにも吸い込まれそうになります。
でもどれも一聴する価値はあると思いますので、是非リンクを開いて、この『暗い日曜日』という曲の素晴らしさに触れてください。
でも自殺しないように!(笑)
最後に、映画『暗い日曜日』の中で、登場人物であるサボーとハンスが、この曲についての印象を語るシーンがあるので、ご紹介します。
「不思議な曲だ。まるで聞きたくない事を言われているようだ……。」
「ああ。だが心の底では真実だとわかる……。」