昨日の朝は
不思議と

心に痛みを感じなかった。



哀しみは確かに

心の奥底に燻り続けている

…のに、



柔らかな粘液のような膜で
覆い尽くされ

麻痺してしまったみたいに

とても鈍く

遠い…





この虚ろな感覚には

覚えがあって。



それは、

父が亡くなった後のこと…



父の死に顔を初めて見た瞬間、

わたしはこの表情を
一生忘れることはないだろう…

確かにそう、
想ったのに。



父が煙となって空へ還った
数日後には、

全く想い出せなくなっていた。




生前の
父の姿も朧気で、

毎日見上げている遺影だけが
わたしの知る父になってゆく…


優しいあの声は

今でも鮮やかに
心の中に響くのに


父が生きていた姿を
想い出すことが

どうしても…

できない…



多分に余りに辛過ぎて

自己防衛機制がかかったのかも
しれない





…けれど。


どんなに耐え難くても

奪って欲しくなかった。




わたしの傷みは

わたしだけの、モノ。




昨日の帰り道、
動画を見て

ちゃんと涙が浮かんで
安堵した…




どうかどうかどうか、
もう手放しませんように…


全て丸ごと余すことなく
享受します…



それがどんなに辛くて哀しい

後悔でも、

苦しみも、

悲しさも…




大好きで大切な存在が
わたしを癒してくれた日々の
確かな証拠として…



ずっとずっと

傷みごと胸に秘め
抱えて憶え生きてゆくこと、

ここに
誓います…




ありがとう、
大好きな大好きなましゅ〜
クローバー