菅首相、日産ゴーン社長のリストラと首切りを名指しで批判

菅直人首相は、さいたま市内での街頭演説で、日産自動車のカルロス・ゴーン社長を名指して「何故給料が高いのか。首切りがうまかったからだ」と述べ、ゴーン社長が優秀な経営者として称賛され、高給をとっていることを批判した。

菅首相は「すべての会社で首切りした社長が偉いなら日本中に失業者があふれてしまう。国民全体を考えたら、リストラする経営者ほど立派というのは大間違いだ」と述べた。

菅首相は、消費税を引き上げる一方、社会福祉などを充実して雇用機会を増やす成長戦略を描いており、高給をもらいながらリストラ経営者の代表格と見られるゴーン社長を批判した。

日産のゴーン社長は、「コストカッター」の異名を持ち、早期希望退職や工場閉鎖を断行してきたが、日産で指名解雇などの首切りはしていない。ただ、かなりの報酬を得ていると見られている。日産は6月23日に定時株主総会を開催、その際、役員報酬を公表するか注目される。
http://response.jp/article/2010/06/21/141816.html



実際、コストカッターとしては一般国民から批判は多かったものの、現在は経営も劇的に変化して黒字化となっている。
実績があるゴーン社長と、実績のない菅総理。
どちらが説得力あるかは別として、あまりにも理不尽な発言であるのは確かだ。

また、ゴーン氏は一部経営者や評論家の中でも評価する声の大きい方。
この発言は議論を呼びそうだ。

更に、経営においてリストラは社員を守る最後の一手でもある。
もちろん切られた社員は怒るだろうが、会社が倒産するよりはマシだろう。
倒産の上、社員全員が職を失う。
だからこそリストラをする。
経営者としては苦肉の策。そして、最後の一手ではあるがコストカットとしては仕方ない局面は必ずある。
そういった意味でも、結果論から言っても評価すべき行動であったのは否めない。

経営において、リストラを行なわない経営。
リストラをせねばならないような状況を作るのは当然だ。
しかし、必ずそういうピンチは起きる。
そこで決断できるかどうか。
それが会社を存続させるかどうかのポイントとなる。

リストラを行なわず、だらだらと会社が墜ちていく様を皆でナァナァと働くのか。
それともリストラをして、経営再建にかけるのか。
それは経営者次第だ。もちろんリストラ後に経営再建し、切った社員を呼び戻す方法もあるだろう。
が、菅総理の言っている事は後者の非難。
つまり、菅総理は前者となる。

言ってみれば、公務員削減等の削減は行なわない。
そう公言した事になる。
この政権、私が思っているよりもダメかもしれない。