○税金を払っているんだから参政権ぐらい付与するべき。

 税金を払う事は、日本に居住する物の【義務】です。義務を果たせば権利を持てるなどというアバウトな発想でしょう。日本人特有の権利もあれば、それに該当しないものもある。また、これは三権分立そのものを侵害する恐れがあります。

○差別されている!

 そう感じるのは、差別(敬遠)されるような事をしたり言ったりするからでは?

○判例が出ている

 では、判例を見てみましょう。



【以下、定住外国人地方選挙権訴訟より抜粋】​http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/3-3.html​;
1.~~~~主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び1条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法15条1項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。そして、地方自治について定める憲法第8章は、 93条2項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法15条1項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法93条2項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。(続く)



 つまり、

 「参政権は日本人たる【日本国へ在住し、日本国籍を有する者が持つ権利である】と言う事。
 ただ、

2.~~~~我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。~~~~

 と述べられています。しかし、この2の部分は主文ではなく傍論です。つまり、判例とまで言えないただの主観的な裁判長の意見であって、法的実効力がない上に本論と矛盾している。という事です。言うなれば、判例と傍論において逆の事を言っている事となります。故に、採用されるは判例であって傍論ではありません。
 繰り返します。この2に該当する部分は判例ではありません。

○国民との約束

 そう言うなら、なぜマニフェストから消したのでしょう?マニフェストに無い時点で、約束ではありませんね。ましてや、直前に消した。直前に消したという事は、民主党において不利な材料であるという認識の元であると位置づけ出来ます。つまり、民主党自体が「外国人地方参政権は国民に支持されていない」と分かっている訳です。故に、総理も慎重な姿勢を打ち出していますね。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100116-014762/news/20100209-OYT1T01090.htm

 判例においても、三権分立の観点からも、憲法からもNOと言われた法案です。
 また、推進派の中心におられた長尾教授も反対に回っていますね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100128/plc1001282154020-n1.htm

 更に、


 この傍論を付けた園部逸夫氏自身が、「選挙権を日本国民たる住民に限るもの」とした第三の部分を判例(法的に有効)とし、第二の部分は判例にならない(法的に無効)と断言している。
 本論と傍論が異なる逆のことを述べている場合、判例となる本論が「適当なもの」となり、判例とならない傍論は「適当でないもの」となる。
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-3714.html​;



 成立したらしたで、違憲訴訟を起こせば良いだけ。判例があるだけに、この法案は無効となるでしょう。それをも、民主党政権は弾圧するんでしょうかね?幹事長の一件もあって、もはや支持できるだけの材料など無いと思いますがね。