年金問題が噴出している中、その根本的な問題はどこにあるのか。
 皆さん「自治労」ってご存じでしょうか?

○自治労とは
 正式名称「全日本自治団体労働組合」と言います。組合人数2731単組90万4281人の官公労の中でも日本最大の組合です。
 組合歌の中には「解放の鐘打ち鳴らすため」という歌詞の入る、結論から言えば極左の団体です。
 当初の支持政党は「社民党」。しかし、現在は「民主党」指示に回っています。予想としてですが、社民党の勢力が衰えて議員数が少なくなってしまい、自治労そのものの発言力低下を恐れた為に支持政党を変えたのではないでしょうか。当然、自治労出身の議員も多く民主党内におります。

 では、年金問題と自治労。この2つがどのように関わっているのか。
 そもそも、年金問題を語る前にある出来事をご説明せねばなりません。
 それは、1979年3月13日に社保庁と自治労中央執行委員長の間で交わされた覚書です。内容は

【以下、wikipediaより転載】

* 覚書等の主な内容

1. 覚書(1件)…社会保険庁長官と自治労中央執行委員長との間で交わしたもの。社会保険業務の全国オンライン化計画の実施に伴い、労働強化を生じさせないよう配慮する。
2. 確認事項等(97件)…社会保険庁総務課長、職員課長と自治労国費評議会事務局長との間で交わしたもの。新規業務の開始や事務処理の変更を行う際に、必要な定員・予算を確保する、健康管理に努める、労働強化を生じさせないよう配慮する(例;「キーボードを45分操作したら15分休憩」「キーボードへのタッチは1日当たり平均5000以内」等)。

* 覚書全文

社会保険業務の全国オンライン化計画の実施にあたって、下記の事項を確認する。

1.オンライン化に伴い首切り定員の削減は行わない。
2.オンライン化は、地方事務官の身分問題に結びつくものではない。この問題については、職場の意見も尊重しつつ慎重に対処する。
3.オンライン化に伴う職業病の発生を防止し、職員の健康を保持するための所要の措置を講ずる。
4.オンライン化に伴い国民のプライバシー保護については、万全の措置を講ずる。
5.オンライン化計画に伴い労働強化が生ずることのないように十分配慮する。

以上の基本的原則に則り、具体的な諸事項については、別紙のとおりとする。

【以上、転載終了】

 これによって、厳しく仕事量を制限されました。むしろ、問題は後半よりも前半の「主な内容」であると言えます。
 確かに、労働組合としては制限を設ける事で社保庁で勤務する公務員の精神的・肉体的疲労を注意するものとして作成したと思われますが、逆にこれが問題となってしまいました。
 オンライン化に伴う人為的ミス(打ち込みミス)や、覚書による制限などによって相当な負担がかけられた事となりました。私もワード検定を持っている身として言いますが、キーボードの打ち込みというのは非常に集中力を伴います。45分に15分の休憩なんて入れたら、それこそ集中力は途切れ途切れになり、ミスが連発するのは必須です。さらに、これには裏があります。実は、3時間を限度とする内容も書かれています。

 年金記録問題に関する原因は色々言われていますが、多数の専門家はこれを問題としている方が多く見受けられます。
 ここで問題。そんな年金記録問題を、「年金をきちんと管理できなかった自民党の問題」とするのはいかがなものでしょうか?そして国会において、民主党がこのことで自民党を責め立てるのはお門違いであって、本来は自身を指示してくれている自治労への質問をするべきなのではないかと思います。

 よく年金記録問題に関して、自民党の責任だと言う方がいますが、残念ながらそれもお門違い。強いて言うなら、社民党又は民主党への質問でどうぞ。といった所でしょうか。対策に関しても同じ。1年で出来る訳がない。当たり前でしょう。まして、5,000万件をもある案件を1年で集約するのは不可能です。1997年に2億件とも言われた年金記録問題。それが10年経って5,000万件まで着実に減った。であれば、今後も同じようなやり方で引き続き減らすべきであって、違う手法で要領を変えたらまたミスが出るようになるのは常識なのではないでしょうか?

 また、安倍政権時代に当時の安倍総理が年金記録問題に関して、一度社保庁を解体して組み直し、「日本年金機構」として当時の管理職から話を聞いたり、本当にやる気のある職員のみを残して再建しようという計画もありました。しかし、それらは民主党によって否決に追い込まれました。なぜか。日本年金機構とする抜本的解決案には、「職員を一旦解雇し、やる気のある者のみを採用し直し、この日本年金機構を監視する機関を作る」という制度です。これに、自治労が反発した格好です。つまり、この問題に関しては民主党が自治労のいいなり又は利害関係が一致していた。という事になります。

 一政党が主張する事をそのまま鵜呑みにするのではなく、批判する前にまずご自分で調べて下さい。そして、それらを「ネトウヨが!」などと幼稚で野蛮な批判をする前に、まずは客観的に物事を判断して下さい。それが「大人」です。

 ちなみに、ネトウヨ(ネット右翼)という言葉を自民党支持者へ使うのは間違いで、本来の右翼とはアメリカにも中国・韓国へも依存しない完全独立国家を目指す者です。自民党はアメリカ依存なので、左翼な面もあります。ただ、内需拡大をも提言しているあたり完全な左翼ではありません。国家としてあるべき中立とも言えます。だからと言って、私は自民党支持者ではありません。前のBlog内容を見て頂ければ書いてありますが、民主党の危険なマニフェストを見て「民主党を勝たせてはいけない」と思い、対抗勢力として自民党に投票はしましたが。麻生総理が好きという理由あります。