「ごめんなさい、ごめんなさい」。先輩たちに向かって、一年生投手が繰り返す。マウンドでは全く変わることのなかった表情が、試合終了後、涙でぐちゃぐちゃになった。
右腕を勢いよく振り下げ、マウンドの土すれすれからボールを繰り出す。球児の中では珍しい下手投げ。一回無死一、二塁で登板し、ピンチをしのいだ。だが、相手チームはしっかりと対策を講じてきた。本塁打の宗佑磨選手(三年)らに七回までで10安打を浴びた。「配球通りに投げられなかったり、自分が捕手に首を振って打たれたりした」
下手投げは小中学生の時、同級生に比べて背が低いことをカバーするために練習を始めた。現在は180センチと長身だが、慣れたフォームなので続けている。野呂雅之監督は「投手としての資質を感じるが、それを生かせるかどうかは、これからの努力次第」。期待するからこそ、厳しい。
「打たれても、俺たちが
守る」「笑って」。投球のたびに後ろを振り返り、先輩
たちに背中を押してもらった。落ち着いて投球できたが、4失点
に悔いが残る。「先輩のためにも、来年は、自分
がチームの中心
になってリベンジしたい」。むせび泣きながら、声を振
り絞った。
