今年からシルバネールという品種の畑を借りてワインを作ることになりました。
今回はあまり良く知られていないこの品種について見てみることにします。
シルバネールは白ワイン品種の中でもかなり古い部類に品種で、原産地は中央ヨーロッパのドナウ川流域、現在のオーストリアあるいはルーマニアあたりと言われています。
1997年に行われたDNA検査の結果Traminerとl'Österreichisch Weiß(仏語Autrichien Blanc)という品種の交雑によって生まれたことがわかりました。
その後17世紀にシトー派エブラッハ修道院の神父によってドイツへ渡り、その後ドイツでは1970年にリースリングに抜かれるまで最も栽培面積の多い品種でした。
アルザスでの歴史はよくわかっていませんが、ドイツに渡った約200年後、1816年に初めてDictionnaire des noms de Cépages en France という本の中でこの品種が紹介されていることからこの頃にはフランスで栽培されていたと思われます。
シルバネールは収量が取れ、品質もさほど悪くなかったことから20世紀前半まではドイツやアルザスでかなり作られていました。ただ20世紀の後半あたりからより香りの良い品種が好まれるようになったことや、ワインの消費スタイルの変化とともにシルバネールの栽培面積は減少傾向にあり、アルザスでもこの50年で栽培面積は半分以下に減ってきています。
アルザスのシルバネールというと真っ先に名前が出るのがGrand Cru特急畑のZotzenbergです。この畑は51あるAlsace Grand Cru中、唯一シルバネールが認められています。
シルバネールという品種は元々収量が取れる品種だったため、今でも平地の畑で機械で作業しやすい場所で作られる安ワイン用品種、というイメージが強いかもしれません。ただそうなると品種が持つ青い香り(Végétal)が強く感じる薄いワインにしかなりません。いい土地で、収量を抑えたシルバネールで作られたワインは素晴らしい品質になれると思っています。
ざっくりとですが、シルバネールという品種について書いてみました。
もし興味が出たようでしたらこの品種のワインも試してみてください。