★終戦記念日 | ☆杉野洋明 極東亜細亜研究所

★終戦記念日

杉野洋明です。

この一ヶ月間、全く更新することが出来ませんでした・・・・

バタバタ続きで余裕がなかったもので・・・


さて、今日は終戦記念日。


以前、正論に掲載されていたものを転載します。

平和な時間が続きますように・・・




『天国のあなたへ』



柳原タケ


娘を背に日の丸の小旗をふって、あなたを

見送ってから、もう半世紀がすぎてしまいました。

たくましいあなたの腕に抱かれたのは、ほんの

つかの間でした。

三二歳で英霊となって天国に行ってしまった

あなたは、今どうしていますか。

私も宇宙船に乗ってあなたのおそばに行きたい。

あなたは三二歳の青年、私は傘寿を迎える年です。

おそばに行った時、おまえはどこの人だ、なんて
言わないでね。

よく来たと言って、あの頃のように寄り添って

座らせて下さいね。

お逢いしたら娘夫婦のこと、孫のこと、また、すぎし

日のあれこれを話し、思いっきり甘えてみたい。

あなたは優しく、そうかそうかとうなづきながら、

慰め、よくがんばったねとほめて下さいね。

そして、そちらの「きみまち坂」につれて行って

もらいたい。



  春、あでやかな桜花
  夏、なまめかしい新緑
  秋、ようえんなもみじ
  冬、清らかな雪模様

など四季のうつろいの中を二人手をつないで

歩いてみたい。

私はお別れしてからずっとあなたを思いつづけ、

愛情を支えにして生きて参りました。

もう一度あなたの腕に抱かれ、ねむりたいものです。

力いっぱい抱きしめて絶対にはなさないで下さいね。


Web版「正論」 遊就館の見学記録より