置き言葉
気がつけばこんな所にいた
ここはとても静かだ
ともすれば何もないと錯覚してしまいそうなほどに
望むべくして辿り着いたのか
望まざるして辿り着いたのか
とにかく 僕はここにいる
そして ここは とても 静かだ
君が無を望むなら 僕は何を望もうか
波のない海の底のようなこの場所で
君が喰い散らかした言葉の残骸を掻き集め
築き上げた砂の城の中で
僕は何を望もうか
始まりの終わりに相応しい唄を
始まりの終わりに相応しい夢を
始まりの終わりに相応しい愛を
君の過去を僕の今へと結びつける 確固たる何か
それは古くそして新しい
それは冷たくそして温かい
君が棄てていったものを 後生大事に抱える僕に
どうか惜しみない拍手と喝采を
そして 君と僕のちょうど真ん中に生まれた言葉を
今 ここに 置いていこう
