―顔をあげて
かがやく初冬の光を額にうけながら、
波四郎は長い旅がいま終わったのを感じた。―
主人公の波四郎は、父を死に追いやった男に復讐するために旅に出ます。
旅の途中、波四郎の心境は細かく書かれず、起こった出来事や会った人に言われたことを中心に描写されており、『ん?』と何か違和感を感じるのです。
しかし、ラストで、自分が抱いていた違和感の正体がわかったとき、爽やかな感動で溢れます。
藤沢さんすごい。脳裏に映画のように情景が見える。この話の後日談について読んだ人と語り合いたい。そんな一作です。
山々、兵法者の生き方の描写が美しいに尽きます。