私は、子どもの頃から、
天の邪鬼(あまのじゃく)なところがあった。
思っていることの、反対のことや違うことを言ってしまうのだ。
屈折した子どもだった。
小学校低学年の、
学芸会の配役決めの時のことを思い出した。
クラスで「浦島太郎」の劇をした。
淡い乙女心から私は、『乙姫様』役に憧れた。
だけど、そんなこと恥ずかしくて言えない。
言ったら顔から火が吹きそうなくらいだ。
だから、回りの人たちに、
「私、浦島太郎やりたい〜」
と、言っていた。
これは、忖度だ。
それに、私は女子だ。
だから、
回りの人も、先生も、「それはちょっとね」、
と、言ってくれると思っていた。
私の頭の中では、『太郎』役は、
当然の様に、元気な男子になると思っていた。
ところがどっこい、フタをあけると、
「がぁ〜ん」、
口に出して言った通りの結果になっていた!
乙姫様の綺麗な衣装に憧れていた私が、
全然、憧れてなかった、
浦島太郎の役になってしまったのだ(>_<)
この時、私は、
人は言葉通りに受け取るのだ、と悟った。
言葉の力は絶大だ。
もし、「私は、乙姫様役がやってみたい。」
と、自分の心の声を"素直に"口にして言っていたらどうだっただろう?
笑われたかも知れない。
それとも、笑われることもなくすんなり決まったかも知れない。
他にも希望者がいたら、選出する行動が起こっただけだろう。
コミュニケーションには、その人やその場のパターンがある。
上手く伝えられなくて、こじらせたり、ややこしくなるばかりか、
売り言葉に買い言葉で喧嘩が起こったり、
心に傷を残すこともある(>_<)
心の奥にためてしまった、
『怒り』、『責め心』から言葉を発すると、
「こうなっていない!なんたることか!」
(だからこうして!当たり前でしょ!)
『悲しみ』から、泣きながら言葉を発すると、
「私は、こんなに嫌な思いをさせられた。」
(だからこうして。当然でしょ。)
『不安』から、言葉を発すると、
「こうなったら心配〜。」
(だからこうして。あなたもいやでしょ)
と、言ってしまう。
これでは、なかなか本心が伝わりづらい。
それでは、
自分の心の声を"素直に"口にして言ったらどうなるのだろうか?
"素直に"自分の気持ちや希望を口にするとどうなるだろう?
勇気を出すって、こういうことなのか。
案外、人生ってシンプルなのかもしれない。
nico