レオ・レオニ(1)という作家の
「ニコラスどこにいってたの?(Nicolas, Where Have You Been?)」
どのような内容なのか気になり、色々と検索したのですが、「原書」の「表紙」しか見つかりませんでした。
ストーリーをご存知の方、教えてください… お願いします。
他の「数点の作品」は、翻訳され日本でも「出版」されていました。
その中で谷川俊太郎さん「訳」の「しゃくとり虫」が主人公のお話しを読むことができました。
題名は「ひとあし ひとあし」
主人公のしゃくとり虫が、コマドリに食べられそうになったのですが、
「 ぼくは べんりなんだよ。 いろんなものの ながさを はかるんだ… 」
と必死に命乞いをし、その場でコマドリの尾羽を測って見せました。
喜んだコマドリは、しゃくとり虫を「他の鳥」たちのところに連れて行きます。
フラミンゴは「首」を、オオハシは「くちばし」を、サギは「足」を…
「しゃくとり虫」は懸命に測り続け、食べられることを「回避」しました。
そして、鳴き声が自慢のナイチンゲール(2)から、自分の「歌」を測るように、
そうしなければ「朝ごはんに食べる」とまたも脅されます。
理不尽な要求ですね… しゃくとり虫は困惑します。
読んでいて「ブラック企業」の意地の悪い上司を連想してしまいました。
合理性に欠ける無理難題や、考えれば「誰でも」持続不可能と思う勤務形態を、
「やればできる。俺たちもやってきたんだから…」と精神論で無理強いする。
欧米では日本の「ブラック企業」問題は、正しく理解されていないようです(3)。
欧米の富める国の関心は「自国」の働き手の苦悩ではなく、「途上国」の人々の過酷な労働環境に移っているようです。
ですから、富める国の日本人が、正社員や契約社員であるのに、何故このような労働環境に悩まなければならいのか理解できないと…
話しを「絵本」に戻します。
さて、「しゃくとり虫」はどうしたと思いますか?
「絵本」だから、奇蹟的に「一晩」で「孵化」し、「蝶」になって飛んで逃げた…
願えば「奇跡」は起きる!! みたいな…
それが、違うのです。
「しゃくとり虫」は「歌」を懸命に測り続けるふりをして、どんどん「ナイチンゲール」から離れていったのです。
そう、しゃくとり虫は逃げた…
しゃくとり虫にとって、「測る」ことは「歩く」こと。
自身の「長所」を活用して「逃げる」方法を考え付いたのでした。
彼が「彼のままでいたこと」で、「自分自身を救う」ことができたのです。
窮地に陥ったときは「奇跡的」な助けを待つのではなく
確実にその「環境」から、「逃げる」ことが「幸せ」に生きる秘訣なのかもしれません。
nico
参考・引用
(1)レオ・レオニ(1910年5月5日 - 1999年10月11日)
アメリカ合衆国、イタリアのイラストレーター、絵本作家。レオ・レオーニと表記されることもある。
サヨナキドリ (小夜啼鳥)は、スズメ目ヒタキ科に属する鳥類の一種。
西洋のウグイスとも言われるほど鳴き声の美しい鳥で、ナイチンゲール(英語:Nightingale)の名でも知られる。
また別名ヨナキウグイス(夜鳴鶯)と呼ばれることもある。(Wikipedia抜粋)
(3)日本のブラック企業問題が世界から理解されない理由 (DIAMOND.online)
http://diamond.jp/articles/-/58362