誰の受け売りだったか忘れたが、妙に自分のなかでしっくり来ている考え方がある。

なぜ人を殺してはいけないか。
それは、結局自分がいちばん困るからだ。

人を殺してしまうと、人は自分も殺されるのではないかといつも不安になってしまう。
なぜなら、この世には人を殺す人がいることをわかってしまい、また人を殺す人の気持ちがどんなものなのかわかってしまうからだ。

そうなったら人は、もう目の前の人間を心から信じることができなくなる。

誰のことも信じられなくなった人間には、本当の友達ができなくなる。
そうしたら、その後そのひとは死ぬまで、どんなに周りにたくさんの人がいたとしても、心のなかはひとりぼっちだ。

人間にとっていちばん不幸なのは、だれからも必要とされず、また誰のことも必要とせず、ただひとりで生きて死ぬことだ。

人を殺してしまったら、その瞬間から、世界でいちばん不幸な生き方を死ぬまでつづけることが決まってしまう。そうなったら、困るのは他の誰でもなく、殺したその人自身だ。

だから、人を殺してはいけない。
道徳や綺麗事の問題ではない。
自分のため、損得のためだ。

自分がいちばん得をするように、自分にとって何が大切なのかを一生懸命考えていれば、人は自己犠牲など払わなくても自分中心に人生をただまっすぐ歩いていくだけで幸せになれるようにできている。