招待状を譲って戴いたので
と行ってきました。東京芸術劇場は今年2月の「カルメン」以来ですが、座席までのアクセスが非常に悪い劇場です。
延々とエスカレーターで昇って、入場したら更にエスカレーターと階段で昇って
ホールに入ると座席まで階段を延々と降りなければなりません。
しかも「座席のナンバリング」が非常に悪く、チケットに書いてあるのは
3階 RB A列 6番
どうやって見当つければ良いのか初めて来た人には絶対に分からないシステム。
しかも、座席番号が椅子の背中についているので
しゃがんで番号を見なければなりません。
かなり不格好な姿でうろうろしないとならない。
座席はどこに座ってもステージが正面にある作りになっていて
上野の東京文化会館のようにサイドの席に座ったら首を60度ひねらないとならないような事が無くて
観劇するには良い劇場ですが座席までのアクセスのシステムが最悪です。
火事になったら避難するのも大変だと、いつも座席につくまで不安になります。
前書きが長くなりまして申し訳ありませんでした。
感想を箇条書きにします。
(1)日本語の歌詞がまったく聞き取れなかった「神風」に比べて、日本語の歌詞がよく聞こえると思ったら全員がマイクをつけてPAから音が出ていました。これはオペラではなくてミュージカルでしょう。ただ、一音符にひらがな一文字があてがわれて、しかも日本語の発音に合わせた無理の無いメロディー作りをし、更にメロディーに載せにくい長ゼリフはレチタティーヴォにするという宮川彬良氏の作曲の手腕によるものでもあると思います。
(2)音楽はキレイで、なにかディズニー映画を観ているような気持ちになりました。宮川彬良氏の経歴を読むと「東京ディズニーランドなどのショー音楽を担当」とありましたので、そういう仕事を得意としている事が分かります。
(3)功なり名を遂げた創業者の自伝を元にしている、と聞けば観る前はあまり素直に「芸術作品」とは受け取れませんでしたが、音楽的、歌手の力量的にはとても良かったのは意外でした。ただし、台本が長過ぎる。三割ぐらい削ったら毎年の新入社員研修に使えると思います。みんな感激して愛社精神が育成できるでしょう。このままだと、観劇に慣れていない若い社員がたくさん寝ると思います。
(4)音楽はとても工夫がされていて感心しましたが、衣装と脚本がよくありません。序幕は歌手たちの衣装は白黒のへんな格好でも良かったけれど、一幕以降はもっと見栄えのするものに代えてほしかった。予算が音楽家と脚本家に行ってしまって衣装の工夫がなかったように感じられました。それは脚本が「現実とファンタジーの切り替え」の工夫が足りなかった所為です。ここは
と認識が共通で感想を色々と話しあいましたが割愛させて戴きます。(5)歌手は「眼球」役の塚本伸彦氏が特に良かった。日本語がはっきりしていました。同時に日本語はオペラには使いにくい言語であることを改めて感じました。松波千津子さんと楠永陽子さんの二人も初めて聴きましたが上手で美声なソプラノです。声楽家って、上に上がる人とそうでない人の差はどこでつくのだろう、実力のある人はこんなに幾らでもいるのに、と思いました。コロス役に16人も歌手が出ていましたが、舞台では同じ化粧の所為でまったく区別がつかず残念でした。あれも顔が分かるような演出にしてあげれば良いのに・・・と思いました。
総じて、A席3000円の価値は十分ありました。みんな、これが自慢できる経歴に書けるかどうか微妙ですが、観劇した人は「あれは良かった」と覚えていると思います。自慢して良いと思います。





一緒に観た
はその後メニコンのコンタクトレンズを購入しました。(^^;