Marlis Petersen(ソプラノ)を初めて観ました。
演出がそもそも現代的でアルフレードはダッフルコートを着ている本の虫。
ヴィオレッタは歌はたいへん上手いが、どうにも現代娘という感じで
そういう演出なのかもしれませんがしっくり来ず、説得力なし。

詳しい評価はアメリカのアマゾンでも観て戴くとして
私はこの、舞台にはカーテンと椅子だけ、登場人物は今の人、
ジェルモン(アルフレードの父親)はヴィオレッタにまったくシンパシーが無く
必要もないのに小さな娘を舞台で連れ回してヴィオレッタを脅すのに使うという
演出はまったく好きになれませんでした。

※演出はコンヴィチュニーという最近話題の人だそうですが、嫌いです。
Marlis Petersen は次の役に期待です。

そんな「つまらなかった感想」はブログに書く価値がありませんが、
今回気がついた事があるので、それを書きたい

アルフレードが、ヴィオレッタに復讐するシーンがあるでしょう

あそこは観るたびに皆さん、違う描き方をするものなのですが、
ネトレプコの口にビリャソンがお札を突っ込む、というデッカーの演出が
ものすごく下品に見えて
あの公演自体がまったく好きではなかったのですが、
今回の演出ではアルフレードが腰を振ってセックスするのです


つまりこれは明らかに強姦です

ぁぁぁぁあああああ、下品もここまでするか~

と思いましたが、一方で
ここはそういうシーンだったのか

と今までの演出がすべてそれを露骨にできずに
(財布をなげつけるとか)ユルイ演出にしていたけれど
好きだった女に心から憎しみを覚えて本気で侮辱したいと思ったら
男というものはそういう行為をするものなのだ、という
原作にははっきり書けなかった事を掘り起こして
そんな演技をさせたのではないのか・・・・

ああ、あまりに悲しい場面を目撃してしまった。
後味の悪い公演だったとともに、あれが人間のひとつの真実の姿なのかなぁ
と、元気を無くした。

好きだった人を憎みたくないものです。。。
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