こんにちわニコルです。


暑いし忙しいし全然ブログが書けない(笑)


前期は結構な本数のアニメの感想を毎回毎に書いていましたが、正直やりすぎました。しんどかった(笑)


だからという事ではありませんが、今期は手抜きをしようと決めました。以前の作品の感想でも書きながらのんびりしようと思います。


という事で「アルベジオ」です。「戦闘妖精雪風」の感想についたコメントに返信した時に比較対象としてポロリと出てきて急に見直したくなりました。やはり面白い。


ちょうど「艦これ」が大流行していた時期でしたが、ゲームもアニメも個人的にはそちらには乗れず、こちらの方が好みでした。好きな点もそうでない点もありましたが、TV版と劇場版2作を通して大好きです。


まずは映像。アニメーション製作はサンジゲンがやっています。当時からフルCGアニメーションというのはある程度作られていましたが、やはりどうもCGっぽさが強くてしっくり来ないと思っていた所にこの「アルベジオ」が登場。CGモデルがアニメとマッチしていて「これなら観られる!」と興奮しました。今観てもいい出来。個人的にはディズニーなどのCGアニメは好みではないので、日本のアニメがこの方向に進歩してくれたのが本当に嬉しかったのを覚えています。


戦闘はハデハデ。旧日本海軍の艦艇をモデルにした霧の艦隊はビームは撃つわ甲板は全てVLSだわの超兵器で、空も飛ぶし水上艦なのに潜水もする。しまいには合体までする。


恐らくは似たような見た目を差別化するためであろう発光するトライバル柄も含めて、もう少しリアルな戦闘を観たかったというのが本音でした。この辺りはもう何度も見返すと慣れてしまったのですが、それが初見の印象です。


最初のタカオ戦やキリシマ・ハルナ戦辺りではまだ401も潜水艦らしい戦い方をしていましたが、後半は敵もハチャメチャになってくるので応戦する401もムチャクチャです(笑)


しかし勝手なもので、401の超重力砲の展開ギミックは最初から大好きです。超カッコいい。


映像だけでなく音楽も素晴らしいです。久々にサントラを入手して聴きまくりました。久し振りに見返してしまうと数日経っても脳内で再生される程の威力なので、そんな状態で1日を過ごすと帰宅してまた観たくなる。恐ろしい中毒性です。


戦闘シーンなどの見せ場ではスネアドラムが特徴の軍隊調で燃えるし、撃沈された401をタカオが助けるシーンのボーカル曲も良いんですよね。



さてここからが本題です。いまこの「アルベジオ」の感想を書いているのは先にも書いたように「雪風」からの流れです。ハードな世界観の雪風にメンタルモデルのような人格や容姿が備わっていたら、それはそれで面白そうだけども別物になるよね…という話。


この作品はクライン・フィールドやナノマテリアルなど独自のSF設定も楽しみの1つですが、この話の流れで行けばやはりAIとしてのメンタルモデルの話になります。


「雪風」の方は戦闘機に搭載されたAIに人格や感情を感じるという描き方をされていて「アルペジオ」では艦の人格をメンタルモデルで表現しています。作品の違いによると言ってしまえばそれまでですが、この差が何を生むのかと考えると面白い。


イオナはヒトデのプニプニがお気に入りという描写が存在しますが、これがとても大きいと思います。人の感情や思考は肉体とは無縁ではいられませんから、人の事を知りたければ人と同じ感覚を共有する必要があるのは必然です。


イオナは沈没した時に群像が凍えているのに気が付かなかったり、完全に人間の感覚をトレースしているとは言えませんが、それでも人と同じ目線で物を見たり、足を使って歩き、口を動かして喋るという人と同じ行為を行い、その不自由を体感する事は人を認識する上で大きく役立つでしょう。そう考えると群像の父である翔像が霧の人工知能と対話するためにメンタルモデルを持たせたのも納得。そのデザインに関しては艦ごとに自分のイメージを元にしたようですから、翔像の好みは関係なさそうですが(笑)


こうして考えると本来、人との交流を目的にしていない雪風が深井零と信頼し合う特異性が際立つと共に、メンタルモデルたちが感情を獲得した事への妥当性が腑に落ちるように思いますがいかがでしょうか。


しかし下らない妄想ですが、イオナを演じる渕上舞はかの有名な「ガールズ&パンツァー」の主人公?、西住みほも演じています。つまり陸のガルパンと海のアルペジオで主役を張っている。これで雪風の声が渕上舞だったら陸海空のミリタリーアニメを制覇できたのに。


今後、有力な戦闘機アニメでパイロットでもやってくれたらいいなー、と思います(笑)


閑話休題。


メインとなる群像とイオナの事はもちろんですが、個人的に好きなメンタルモデルはタカオとヒュウガです。


タカオは401に敗北した事を群像の戦術によるものだとして、戦術ユニットとして群像を求めます。この辺りは兵器としての戦闘力に価値観を置く実に霧らしい価値観なのですが、そこからどう発想が膨らんだのか硫黄島で再会した時にはすっかりツンデレキャラになっていました。ここは掘り下げても仕方のない部分でしょうが、群像とイオナのために自分を犠牲にする負けヒロインぶりには感動しましたし、ルックスも含めて1番好きなメンタルモデルです。劇場版では眼鏡を装備するのも個人的にポイントが高い(笑)


ヒュウガはTV版でのラスボス。艦隊旗艦として頑なにアドミラリティコードに拘り、次々と人間に影響を受けていく仲間達とは一線を画す存在であり続けようとしましたが、タカオとは反対に401をライバル視するようになると自らの思惑に反して徐々に人間的になっていきました。離反していく部下たちの中で唯一ヒュウガに対して肯定的だったマヤが自分を監視する人形に過ぎなかったと知り、それを失った悲しみと怒りで暴走するところなどは実に人間らしいと言えるでしょう。


何も仲良く馴れ合う事だけが他者を認識し、尊重する道ではありません。北極海へ向かうイオナ達に霧の生徒会が立ち塞がった時、救援に現れたヒュウガの格好良さは「宇宙戦艦ヤマト」におけるデスラー総統か、はたまた「銀河鉄道999」におけるハーロックにも匹敵するものでした。鳥肌モノです。


オイシイ所で登場してくるこの美学と、心は通わずとも確かに自分の拠り所であったマヤのピアノを甲板に設置している感傷は、もはやそこいらの人間よりも人間らしいとさえ思います。


という事で、久々に観た「アルペジオ」の感想でした。また401のプラモが欲しくなってきましたが、買っても積むだけになるのでガマン(笑)


では、またm(_ _)m