中学時代の教室で、箒ギターから始まってだんだん洋楽仲間が増えてきた。すると、

「バンド組もうぜ!」

と誰かが言い出す。

誰も楽器持ってないんだけど.....

「おれ、ギター。」「おれは、キーボードやる。」

勝手に担当楽器が決まって、とりあえずバンドが始まった。


教室の真ん中、机を囲んで、ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムが

それぞれ声で楽器の音を出してみんな知ってるロックチューンを合奏する。


ハモネプの先駆だな。


レパートリーはディープパープルの「ハイウエイスター」「スモークオンザウオーター」、レッドツェッペリンの「ロックンロール」「移民の歌」、イエス「ラウンドアバウト」などお馴染みのナンバー。


当時はレコーダーなんか誰も持ってなかったけど、録音しといたら面白かったろうな。たぶん、めちゃくちゃだ。耳コピーもまだ音を聞き分けられるほど成熟してないから、それぞれ適当に歌ってるし。和音の概念すら無いから、気がつくと同じリフを全員でユニゾンしてたりしてね。


でも、なんだか楽しかったことだけは間違いない。


ギターソロとかで盛り上がってくると、口うるさい女子に「も~、あんた達うるさ~い!」と怒鳴りこまれたするけど、無視。


ちなみに、ぼくはドラムしか余ってなかったのでドラム担当だった。バンドでドラマーになった人の理由は割とこんなのが多かったりする。

 先日、大人買いした「20世紀少年」を読んでいると、中学生のケンヂが”箒(ほうき)ギター”を弾いているのをみて、懐かしくて笑ってしまった。ああ、みんな同じようなことやってたんだな。


 ぼくがロックを聞き始めたきっかけは、まさに”ともだち”が弾いていた箒ギターだった。そいつは当時”ヘンタイ”と言うあだ名で呼ばれていた。中学生なのになぜかポルノ雑誌を大量にコレクションしていたからだ。ヘンタイは教室の片隅で箒ギターをかき鳴らしては、”ハイウエイスター”を歌っていた。今思えば、蚊の鳴くような声で歌詞もでたらめなんだろうけど、洋楽なんぞ縁のなかった僕にはえらくかっこよく見えた。


「え??なにそれ。」

「これはディープパープル。」

「へ~、かっこいいねえ。」


それからヘンタイに”ブラックナイト”のEPを借りた。

う~ん、これは本当に本当に衝撃だった。何だっ、この気持ちいい感じは!!こんな音楽があるんだ!!

そのころのぼくが聞けたのは、せいぜいテレビで見る歌謡曲か演歌だった。

当時はなにしろ情報が少なくて、街や家庭に音楽が溢れているような時代じゃなかったからね。


それからぼくらが、毎日教室で箒ギターを弾きまくっていたことは言うまでも無い。


ロックとの出会いが箒ギターというのも、ちょっとカッコ悪いけど。

まあ考えてみたら、これは今流行のエアーギターの先取りですよ。