名古屋を、獲る。 

 


 語られた話は、関口を唖然とさせた。うろたえさせた。

 そして、血を熱くさせた。

 張本は、もっと率直に泣いた、雄たけびを上げた。

 

 やがて、関口は言っていた。

 「今日からあんたは、俺らの兄貴だ。あんたの夢に俺たちは命を預ける」

 

 張本は叫んだ。

 「関口君は、俺の兄貴分だ。だったらおっさん、あんたが一番上の兄貴だよな」

 そして張本は立ち上がり、男を肩に担ぎあげた。


 肩の上で、桃の木よりも高い景色を見渡しながら、男は笑った。

 「なあおい、、俺たちは志の元に引き寄せられた運命の三人だ。生まれた日は違うが、志の果てに命落とすことがあれば、それは同じ日になるだろうよ」

 「そうよ兄者。今この国は死にかけている。盗賊が横行し、民の目から光は失われた。だが、俺らみたいなドブネズミでも、今志を立てたんだ。この国の乱れを糺し、帝をお救いし、再び民の営みに平穏を取り戻すために、俺あこの瞬間、命を捨てたぜ」 いつになく関口は興奮していた。

 「俺あ、関口君みたいなうまいことは言えねえ。ただ、母ちゃんが笑って暮らせる国にしてやる。今気づいたんだが、それは俺がずっとやりたかったことみてえな気がするよ」張本は肩に人を乗せているとは思えない速度で走りながら叫んでいた。

 「よし、詳しいことは我楽多文庫で話そうや。とりあえず張本よ、俺を降ろしてくれ」


 

 今此処に、英雄が三人、並び立った。