傷つかない、傷つけない会話術 | 釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

傷つかない、傷つけない会話術

知人から『傷つけない&傷つかない会話術』という新刊をもらいました。
(津田秀樹・西村鋭介著 マガジンハウス  1470円)


精神科医と心理研究家の共著で、仏教とは何も関係ないのですが、
これが意外と仏道にも関係ありそうな会話術が書かれていたのです。


お釈迦さまは「言葉」の重要性をものすごくわかっていて、
悪口(あっく)、悪語

=人を罵る、あしざまにけなす、人を罵倒する、汚い言葉を使うなど=は
やめなさい、と繰り返し説いています。

こういう言葉を使うと、一時的にはスッとするけれど、
相手だけでなく言った自分が実は傷ついてたりしますからね。


『傷つけない&傷つかない会話術』は、「言葉のトゲ・毒を抜こう」として、
コツがいくつか書かれてます。

釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

精神科医や心理カウンセラーも使っている 傷つかない&傷つけない会話術



例えば、


・最初の一歩、「まずは<極端語>を抜いてみよう」


たとえば「なんでいつも遅刻するんだ?」の「いつも」が極端語。
実際は、数回の遅刻でも、つい強調して「いつも」を入れてしまうものです。
でもこれは、相手を追い詰めるだけで、逆効果だと。
ほかに極端語の例として、「~だけ」「絶対」「ばっかり」「すべて」
「完全に」「みんな」「超●●」
などが挙げられています。

こういう言葉を抜くだけで、確かに会話はおだやかなものになりますよね。
奇しくも、仏教の「極端を避ける=中道」と似ていて興味深かった。


・2番目に抜くべきトゲ 「悪い比喩を使わないようにしよう」


例えば仕事相手のトロい行動に対して「ガキの使いじゃないんだから」なんて、
私も言ってしまいますが、「ガキの使い」は悪い比喩。
「目が死んだ魚」「力士並みのデブ」「結婚は墓場」、悪い比喩だらけですね~。
言った瞬間は気持ちいいんだけどね。


・衝撃的な単語を使わない


認知心理学者ロフタスの実験で、こんなのがあるそうです。
交通事故のフィルムを被験者に見せて、
「車が激突したとき、どのぐらいのスピードで走っていた?」
「車がぶつかったとき、どのぐらいのスピードで走っていた?」
という2種類の質問をします。
すると、「激突した」と聞かれたグループのほうが、
事故を実際より悲惨なイメージで記憶していたというのです。
つまり衝撃的な言葉は、記憶を書き換えてしまうのです。 
 
こんな感じで、言葉をおだやかにするコツが書かれています。
山ほど出ている会話術の本の中で、心理学的な根拠を示して書かれた本は
あまりないので、面白かったです。


しかしメディア業界人としては、
「絶対絶命! 日本を沈没させるバカ内閣」みたいな
タイトルを付けるのが日々の仕事なわけで・・・
極端語・衝撃語がないと印象に残らないからですが、
いつか地獄におちるよ、本当に。



にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村