(龍春)
 

春歌「龍也さん。コレ…此処に置きますね」

龍也「ん?ああ。チョコか。頼む。後で見ておきたいからな」

春歌「はい」

龍也「春歌?」

春歌「あのっ。私…片付けなければいけないのが、まだありますのでっ」

龍也「待てよっ」

春歌「きゃっ」

龍也「…なんて顔してるんだよ」

春歌「え?」

龍也「え?じゃねぇ。何だ。その顔」

春歌「…っ」

龍也「どうした。お前は最高の笑顔を持っている女だ。それが、今は泣く寸前じゃねぇか」

春歌「…何も…」

龍也「ちっ。正直になれ。大人相手にそんな小手先の逃げなんて効かねぇよ」

春歌「…っ。…ひっくっ」

龍也「コレか」

春歌「あっ…」

龍也「コレ。お前からだろ?」

春歌「どう…して」

龍也「俺の愛をナメんな。俺は、お前だけを愛してる。全部賭けて。って言った筈だぜ?」

春歌「…私…龍也さん…好きで…」

龍也「ああ。分かってる」

春歌「でも…龍也さんは皆の…龍也さんで」

龍也「今は、どうなんだ?」

春歌「…今…は…」

龍也「お前だけだ。カメラが無い場所。それは全部お前だけの俺だ」

春歌「…龍也さん。愛しています」

龍也「ああ。俺もだ。離さねぇ」

春歌「…ぁっ」

龍也「こっちが先だな」

春歌「…ぇ?…あぁっ」