こんなニュース、今まで気がつかなかった...

■突然死防ぐタンパク質発見 大動脈解離、解明に一歩
2014/2/18 22:21
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1803W_Y4A210C1CR8000/
久留米大循環器病研究所(福岡県久留米市)を中心とする研究チームが18日、突然死の一因となる「大動脈解離」を防ぐタンパク質を発見したと発表した。
 大動脈解離は高血圧や動脈硬化を抱える50代以上の男性に多く、国内で推定年間1万人が発症するが、研究があまり進んでいない。今回の発見は病態解明や予防への一歩になると期待される。
大動脈解離は、心臓近くの大動脈で、3層構造になっている血管壁内側に裂け目が生じ、そこに血液が流れ込む突発性の病気。脳に送られる血液が減って、数分で死に至ることが多い。
 研究チームの青木浩樹教授らは人間の体内で生成されるタンパク質「テネイシンC」の働きを調べるためマウスで実験。テネイシンCを生成するマウスは大動脈解離を発症しないが、生成できないようにしたマウスは半数が発症したため、テネイシンCが解離を防いでいると結論づけた。
 青木教授は「血液検査でテネイシンCの量を測定することで病気を予防できるよう、研究を進めたい」と話している。〔共同〕


■大動脈解離を防ぐ分子を発見! 久留米大学
http://www.kurume-u.ac.jp/announce/kouhou/info2013/20130088.htm

本学循環器病研究所の青木浩樹教授を中心とする研究チームが、大動脈解離を防ぐ分子を発見しました。
 大動脈は、心臓から全身に送られる血液の通り道で、体の中で最大の血管です。
 大動脈解離は、この大きな血管が前触れもなく裂け、裂け目から血液が外側の膜との間に流れ込むことにより、偽腔(血液が溜まったところ)が広がっていく病気です。強い痛みがあり、突然死することも少なくありません。特に中高年の男性に多い病気で、責任が重くなる世代であるため社会的な影響も大きい病気です。高血圧や動脈硬化があると大動脈に大きなストレスがかかり、大動脈解離が起きやすくなります。
 本研究チームは、ストレスを受けた大動脈でテネイシン C というタンパク質が作られることを見つけました。テネイシン C はストレスにより様々な組織で作られますが、その役割はよく分かっていませんでした。今回の研究で、テネイシン C ができないマウスの大動脈にストレスをかけると容易に大動脈解離を起こすことから、テネイシン C は大動脈を守ってくれる「分子的な安全装置」であることが分かりました。テネイシン C は世界で初めて発見された分子的安全装置ですが、このような分子は他にもあると考えられ、その発見は大動脈解離の予防・診断・治療に役立つと期待されます。
 この発見は、久留米大学、山口大学、三重大学、筑波大学、国立国際医療研究センターの共同研究によるもので、平成26 年 2 月 11 日に英国科学誌 Scientific Reports に掲載されました。
Tenascin C protects aorta from acute dissection in mice.  Scientific Reports 4: 4051 (Feb 11, 2014)