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BCN 携帯電話 週間売れ筋ランキング
集計期間:2013年10月28日~11月3日
2013年11月05日更新


家電量販店のPOS売上データを集計して作成された売上ランキングがある。
その携帯電話(スマートフォン)の売上ランキングで、iPhoneが1位~10位を独占した。
上の図の通り、完全な独占状態だ。

このような状態になったのは今回ドコモが新たにiPhoneの販売に加わったこともあるが、iPhoneの評判が大きな要因である。しかし、もう一つ、誰も指摘しない原因がある。実は、これは雑誌メディアによる一種の「ブーメラン」なのである。

iPhone登場前の約5年前、このような売上ランキングで大きな注目を集めていたのは、Walkman vs iPod だった。まさに、ソニー 対 アップル の日米対決で、携帯型音楽プレイヤーの売れ行きにおいてソニーの凋落が注目されていた時のことである。

広告収入が命のパソコン関連の雑誌メディアにとって、ソニーは大スポンサー様である。ソニーの面目を潰したくないBCNは、ソニーのWalkmanのランキングを下げさせないために、ある画策をした。売上ランキングでのiPodの売上1位を避けるため、携帯型音楽プレイヤーの色別・容量別で集計し、ランキングの分散化を狙ったのだ。

これによって、売れ行きが落ちていたソニーのWalkmanは印象が良くなるかと思われたが、結果は全くの逆。カラフルなiPodが上位10位をほぼ独占してしまったのだ。なお、携帯型音楽プレイヤーでのiPodの独占状態は、今も続いている。

http://bcnranking.jp/category/subcategory_0004.html

iPodの売上ナンバーワンを回避する策が、結果的にiPodの上位ランキング1位~10位の完全独占という逆説的な結果を招いた。完全な敗北である。これは、Windowsの登場時から連綿と続いている、反・Apple の雑誌メディアの凋落であるともいえるのだ。

今回、さすがに iPhone に関しては新商品の iPhone5c を色別に集計するようなことはやらなかったが、特にいまだに色別・容量別の集計でラインキングを独占するiPodに関して、いまさら集計方法を変えるわけには行かない事情が透けて見えるのがとてもみじめだ。

メーカーも、雑誌メディアとの変な癒着に力を入れるのではなく、本来の商品開発に力を入れるべきなのだ。





■携帯販売ランキングがiPhone無双 1~10位独占 - ITmedia ニュース(2013年11月12日)
BCNの携帯電話週間売れ筋ランキングの1~10位をすべてを、新型iPhoneが独占している。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1311/12/news111.html


■BCNランキングで携帯電話の売り上げトップ10が全てiPhoneに - PC Watch (2013/11/12)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20131112_623201.html


■アップル、日本が思わぬ「金鉱」に - WSJ.com(2013年11月11日)
http://on.wsj.com/HQYIlC