ぞっとする話だ。
売れ筋モデルの7型タブレットPCは、ほぼ製造原価で販売されている。


「キンドル」は原価販売、コンテンツ収入で利益=米アマゾンCEO
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89B02T20121012

米iSuppli調査、Googleの199ドルタブレット「Nexus 7」原価は152ドル
http://news.mynavi.jp/news/2012/07/13/115/index.html

Google先生の本気!原価から見るNexus 7のコスパ分析
http://android.dtmm.co.jp/device/37221



値段の安い方に客が流れるのは当然の事であり、従ってタブレットPCは、アマゾンとGoogle以外の製品は全く売れない。
一方、付加価値を求める客は、アプリやクラウドサービスが充実し、セキュリティー面で優れたAppleのiPadとiPad miniを購入する。

ちなみにマイクロソフトのWindows8を搭載したタッチスクリーン搭載軽量ノートPCは、値段が高い割にできる事が中途半端なので、先行するタブレットPCの置き換えにはならず、爆発的に売れる事はありえない。
なお、ARM搭載のWIndows RTタブレットは、原価販売される同タイプのハードウェアのAndroidタブレットのせいで、販売前から既に値段の面で売れない事が確定している。
そして、上記の事はマイクロソフトと国内PCメーカーを主要な広告主にしている一般パソコン雑誌で全く言及されないのはいつもの事だ(まるで中国共産党体制だ)。

国内メーカーにとっては、新製品を発表したにも関わらず、パソコン全般の売れ行きが悪いので製造できないという地獄の時代が始まった。

パソコン不況というのは、今の秋葉原の電気街、大阪日本橋の電気街を見ても明らかだ。
振り返ってみれば、一時はあれほどたくさんあったパソコンパーツショップは、ほぼ壊滅と言って良い状態だ。

「DOS/V パソコンでは安価な自作PCが主流になりメーカー品はすたれる」といったことが言われていたが、それも大昔話になってしまった。
Dellのように徹底的に安いPCをネットの受注生産で販売するという販売モデルが普及したためだ。
今年になって、上記のトレンドを置き換える、「原価販売」がとうとう始まってしまったことになる。

PCメーカーにとっては地獄の時代が始まった。
「ポストPC時代」というのは、タブレットPCの原価販売だったのだ。
こんなことは今までなかった。