ICUでは、携帯電話は厳禁だ。
iPod touchはもちろん携帯電話ではないので、使用を禁止されることなく、イヤホンで爆音で音楽を聞いたりして気を紛らすことができた。
GarageBandというアプリで、曲を作ってみたりもした。
ただし、インターネットに接続する手段はICU内にはない。

写真も撮れるので、こっそり撮ってみた。

ICU

ICUのベットからの風景

入院時に撮った写真を見るのは久しぶりだ。
上の写真で、ベットの近くの右側にあるのが、実に頼もしい点滴マシンだ。
2種類のマシンが設置されていて、おのおの別の種類の点滴のスピードをコントロールする。
これで私は生きていたのだ。
ただし、この写真を撮った頃には、もう、点滴はしていなかったと思う。
事態が深刻な頃は、写真なんか撮る気持ちになれなかったのだ。

頭の後ろには、血圧計や脈拍計や心電計が一体になって各機器の測定値がネットワークで一括管理されている最新(?)のバイタル測定器が備え付けられている。
写真を撮っておけば良かった。
心電図や脈拍が絶えずモニターされて、異常があれば、警報が鳴る。
一度だけ脈拍が突然上がって、警報が鳴ったことがある。
また、一度だけ「少し不整脈があるみたいよ」と看護師に言われた。
心電計用のセンサーを体に貼り付けているのだが、とても外れやすくて面倒だった。
脈拍計は、指先に洗濯ばさみみたいのを挟んでおかないといけないのだが、一度外すと、付け忘れたままになりがちだった。
血圧計も内蔵されていて、腕にバンドを巻いて測定し、血圧の測定値データは一括で保存される。
ただし、看護師たちはノート(写真のテーブルの上のバインダー)を付けていたので、画面を見て数値を手書きしていた。

ICUに入っていたのは、2月で寒い頃だった。
そういえば、雪が少し降ったことがあった頃だったと思う。
私は風邪気味で熱がしばらく続いていた。
インフルエンザかもしれないと、鼻に細長い綿棒を突っ込まれて検査されたこともあった。
部屋はちょっと乾燥気味だった気がする。

食事とか、もっと色々写真を撮っておけばよかった。