がんという見えない敵との、長い闘いの始まり、
それは突然訪れた。
母の病気が発覚したとき、
真っ先に向かったのは本屋さん。
「胃がん」、「悪性リンパ腫」・・・
これまでの私達家族には、無縁に等しかった言葉。
母の病気が、胃がんか悪性リンパ種かわかるまでに約2週間。
生きた心地がしない気持ちを抱えながらも
母含め私達家族が思ったこと。
“知らないことが怖い”
そう思い、大きい本屋さんをはしごし、がんに関する専門書から闘病記などを
斜め読みした。
がんには、沢山の部位のがんやタイプがあることがわかり、
特に悪性リンパ種について詳しく書かれている本やページは多くはなかった。
その中から、胃がんと悪性リンパ腫の種類から発症の仕方などについての詳細について
家族で複数の本を読み込んだ。
どちらの病気の可能性が高いのか、
それによってその後の治療展開などが大きく変わるため
家族は2週間後の検査結果まで、出来る限りのことが調べた。
胃の腫瘍の大きさに対して、当時の母には自覚症状が全くなかったことからも
検査結果直前には、家族の中で、母は「悪性リンパ腫」の可能性が高いのではと家族の共通認識が出来た。
そして、検査の結果、
母は「悪性リンパ種」だった。
家族全員がとにかく不安な気持ちで過ごした
長い長い2週間だったけれども、気持ちを切り替えて
一気に自分たちで情報を探しにいったことで、少しずつ
全く存在も知らなかった病気への恐怖は解消されていった。
2週間前、父から母の病気の可能性を告げらえた時、
私は震える両手、両足をテーブルの下で止めるのに必死だった。
でも、この下調べに翻弄し、とにかく情報収集に努めた2週間のおかげで
検査結果は、冷静に受け止めることができた。
この2週間の間に、読んだ本の中に、
告知のショックは必ず軽快する、パニック状態は続かない
と書かれていた。
今思えば、こういった言葉をうけて
これからが始まりなんだと気持ちが切り替えられた気がする。
そして、気持ちが前向きになれそうなことや、知っておいたほうがいいと感じたことは
家族ですぐ共有した。
専門書から、がん専門病院が発行している本、闘病記など・・・
様々な角度からがんについて書かれた本があるけど、
通院している病院や、主治医から入ってくる情報だけではなく、
自分から幅広い情報を取りにいったことはとてもよかったと思う。
その理由は、
精神安定剤のようにも作用した気もするし、
患者本人と、その患者をこれから支えていく家族で、病気と闘っていくために
必要なことに対する共通認識を持てたから。
そして何より、医者の話を理解できる頭に家族がなれたこと、
これが、後々もとってもよかったと思う。
【なっち】

